激動の昭和の時代、逗子海岸目の前で営業していた「逗子なぎさホテル」のインテリアアートが誕生した。
企画したのは、逗子市在住でウェブメディア「逗子・葉山WEB」を主宰する高橋知江さん。かつての「逗子のシンボル」について知る人が少なくなったことに寂しさを覚え発案し、パンフレットに使われていたイラストの版元である当時の運営会社から協力を得た。美術印刷に特化した「(株)横浜プリント」に製作を依頼し、まるで絵画のようなポストカードサイズのインテリアアートが完成した。
なぎさホテルは現在「夢庵」や「ラ・オハナ」がある場所で1926年に開業。スイスでホテル経営を学んだ岩下家一による当時最先端のホテルで、皇族から政財界、文化人のほか海外の要人からも愛された。終戦後は米軍に接収され、その後は太陽族の「聖地」になるなど、流行の発信地にもなった。逗子市が避暑地や別荘地から住宅地へと変貌するなかで、老朽化を理由に1989年、閉館した。
小さい頃、祖母に連れられホテルのカフェや庭を訪れ、学生時代は毎日のようにホテルの前を通っていたという高橋さん。「当時の思い出が蘇ったと嬉しい声もいただいた。多くの方に、ホテルの存在を知ってもらえたら」と話している。税込1320円。池田通りのはんこ屋さん21や満天でも販売中。詳細は「逗子・葉山WEB」のホームページへ。