「家族のかかりつけ医に」
身の上相談にまで応じる診療方針に患者は県外からも
「家族のかかりつけ医に」と幅広い診療に加え、子どもの心身の悩みや母親の身の上相談まで何でも気軽に応じる『北浜こどもクリニック』の北浜直院長。アトピー等の皮膚疾患には県外からも多くの患者が訪れる。
「可能な限り不必要な処置・検査をせず、子どもが痛がらず、怖がらせない治療」方針が注目され、英字紙「ジャパンタイムズ」の「アジアの次世代リーダー100人」にも選出された。
『子どもがどうしても来たがって』
そんな声が寄せられるクリニックとは?
北浜さんには開院当初からの夢があった。それは「子どもがまた行きたいと思えるクリニック」をつくること。待合室のミニ水族館には〝ニモ〟や〝ドリー〟が泳ぎ、遊び心で発掘してきた昭和レトロなメダルゲームは今の子どもには物珍しく人気だ。ハロウィンやクリスマスにはスタッフ全員がかぶり物をして診療する。
「あるママから『今日はたいしたことない風邪なんですが、この子がどうしても来たがって』と言われてね。僕にとって最高の賛辞でした」と嬉しそうに笑う。「もちろん診療にくる子どもたちの隠れた重病を見過ごしてはならない。そこは真剣勝負。でも、もっと地域の子どもたちが楽しく過ごせるようパパ、ママ達と仲良くなって、一緒に子どもたちの成長を見守れたら」。小児医療から地域に貢献。優しい笑顔に熱い想いが込められている。
「小児医療から地域に貢献」
その想いを具現化した「天体観測会」
子どもの頃から天体観測が好きだった北浜さん。「子どもがまた行きたいと思えるクリニック」を作り上げながら、もう一つ「クリニックに来ている子ども達にも図鑑やネットでなく、実際に星を観る機会をつくってあげられたら」と、地域貢献の一環として、自身の所有する機材をはじめ、子どもたちが組み立てた手作り望遠鏡での「天体観測会」を催行している。
子ども達に宇宙への興味や望遠鏡を覗く楽しさを知ってもらいたいと思い始めたこの「天体観測会」。コロナ禍の影響などで5年ほどのブランクがあったものの2023年夏、久しぶりの開催に漕ぎつけた。
肉眼では見えない描写も
当日は、近隣の子ども達など約50名が参加。天体観測には2種類の望遠鏡が使用され、直接のぞく従来の見方と、最近話題になっている「電視観望」という、望遠鏡に好感度カメラをつけてライブビューを液晶画面に映し出し皆で鑑賞できるという見方が採用された。
望遠鏡では月を観察し、クレーターなどの細かい部分を見ることができた子ども達は大喜び。さらに電視観望では、本来肉眼では見ることが出来ない淡い星雲なども描写され、参加者からは大きな歓声が上がる場面も。夏休みの良い思い出づくりの場として、来年以降の継続実施も望まれている。