豊かな感性、揃い踏み――。
多様な創作活動を行うアーティストに制作と発表の機会を提供する「Artists in FAS2023」が辻堂神台の藤沢市アートスペースで始まった。藤沢に3カ月間滞在して取り組んだ4人の成果物が来場者の目を楽しませている。来年1月14日(日)まで。
プログラムは全国公募で8回目の今回は74件の応募があった。美術家など2人の専門家が外部審査員を務め、4人を選出。入選アーティストは7月から作品制作のため近隣をリサーチし、同施設で滞在制作を行った。
神奈川県出身の小島平莉さんは、木材や糸、布などを使って自身の内面を表現。一見カラフルで明るい印象ながら、秘めた思いを形象化した。京都府出身の宍倉志信さんは積み木の原型となった玩具「恩物(おんぶつ)」と「賽の河原の石積み」を掛け合わせたビデオゲームを作成。来場者がプレーできる作品を作り上げた。
群馬県出身の吉田裕亮さんは「国民の祝日」を題材に選んだ。インスタレーションや音声、映像を通じて「与えられた祝日」が日本人の感情と精神にどう影響しているかを考察している。
東京に生まれ平塚市で育ったメランカオリさんは辻堂にある辻(四つ角)を巡り、占いをしながら制作活動を行った。階段を会場とし、写真やテキストで独自の世界観を表現している。
同施設では「アートには既成概念を超える驚きや発見がある。表現することの楽しさや豊かさを感じてもらえれば」と来場を呼び掛けている。
入場無料。開場は午前10時から午後7時。月曜休館。期間中は参加アーティストによるワークショップもある。詳しくは市アートスペースウェブサイトへ。問い合わせは【電話】0466・30・1816。