県立逗子葉山高校(逗子市桜山/會田勉校長)は同校が指定する土曜・日曜(月4回程度)、図書室の一般開放を行っている。同校の前身、逗葉高校開校時から行われている、県立高校で唯一の取り組み。會田校長は「図書室利用をきっかけに地域とのつながりを持てれば」と期待を寄せる。
神奈川県立高校では体育館を約60校、運動場を約50校など、学校施設の一般開放を行っている。そうした中、図書室の開放は同校のみ。「地域に開かれた学校」を目指し、行われている。
当初はPTAが運営を担っていたが、次第に地域住民がボランティアで行うようになった。現在は30年以上続けている武藤公子さん、今年5月に着任した小野美智子さん、石井昭子さんの3人が担当している。
利用者の多くは逗子市立図書館や葉山町立図書館まで出かけることが困難な年配者で、1日の利用は平均3、4人程度だという。
武藤さんらは「読書とともに、窓から見える鎌倉や丹沢の山並みなどの景観もお楽しみください」と利用を呼びかける。一般の図
書館と違い、室内で会話をしても構わないので、社交場として利用することもできる。會田校長は「地域の子どもたちに利用してもらい、生徒たちが読み聞かせをするというのが理想」と語る。
4、5年前から利用している大山隆さん(72)は「開放日を知らない人がまだ多いと思う。知ったら利用したい人はたくさんいるのでは」と語った。
一般開放コーナーは、文学、歴史、美術、趣味、郷土史など約1300冊を所蔵する。逗子市、葉山町に在住・在勤の人(小学生以下は大人同伴)で、住所・氏名・連絡先の登録が必要。1人3冊まで、2週間借りることができる。一般開放日以外は学校事務室で返却も可能。
同校事務室 開放図書担当者☎046・873・7322