発達障害がある家族持つ人 支援続けて10周年
戸塚・神奈川両区で活動するカサンドラ症候群自助グループ「フルリール」が、今年設立10 周年を迎えた。その節目に発達障害のパートナーとの関係に悩む同症候群への理解促進のため制作した動画を4月2日に公開する。主催者の真行結子代表に取り組みについて話を聞いた。
発達障害は周囲に「障害」と認知されにくい特徴がある。真行代表によると、結婚後子どもを授かった後、悩みや不安への共感をパートナーから得られないなかで障害に気づくケースが多い。
予言を信じてもらえない呪いをかけられたギリシャ神話の王女カサンドラの境遇に重ねて、米国でつけられた名称。「医療診断用語でないため、公的支援を得にくい。周囲に理解されず当事者が孤立しがち」と話す。
こうした課題の改善を目的に、2014年にかながわ県民センターを会場に設立したフルリール。自閉スペクトラム症やADHDなど発達障害の特性を持つパートナーや家族との関係に悩む同症候群当事者の自助グループだ。現況を語ることにより、同じ境遇の仲間の共感によっていやされ、一歩を踏出すきっかけをつかんでいる。15年からはとつか区民活動センターでも活動を開始、60歳以上のカサンドラを対象にする。
動画「カサンドラの私を見つけて」は、当事者と協同しながら完成にこぎつけたという。
真行代表自身、自閉スペクトラム症のパートナーとの関係に悩み、「フルリール」を設立した。「1人でも多くの人にカサンドラ症候群のことを知ってほしい。そう願いこの動画を制作しました」と語る。
問合せはフルリール【メール】fleurir.since2014@gmail.com。