ヘルプマーク普及に一役
星槎高等学校(旭区若葉台)3年生の山影菜花(なな)さんと吉田真泉(まなみ)さんがこのほど、ヘルプマークに意思表示の文言を添えるための、缶バッジに貼り付けるテンプレートシールを作成。「相互理解を広めるために、シールを普及したい」という思いから、NPO法人の設立を計画している。
ヘルプマークとは、義足や人工関節を使っている人、難病である人たちが、外見からは分からなくても周囲の人に援助や配慮を必要としていることを知らせるために作成されたもの。神奈川県でも2017年から導入されているが、「マークだけでは必要な援助が具体的にはわからない」(山影さん・吉田さん)という課題があった。
2人が作成したシールには「席を譲ってほしいです」「症状があるとき助けてください」など、ヘルプマークだけではわからない症状を記載。マークには缶バッジが取り付けられるようになっているため、シールを使用することで適切な援助を受けられるように工夫されている。
相互理解が必要
山影さんはパニック障害で過呼吸発作を起こすことがあるため、普段からヘルプマークを着用しているが、座る必要がなかったにもかかわらず席を譲られた経験があったという。友人である吉田さんは昨年10月頃、山影さんにマークを付けている理由を尋ねた際に、そのエピソードを聞いた。
吉田さんは「マークを付けている人を助けたくてもどう対応すれば良いのかわからず困っていた。適切な対応をするには相互理解が必要だと考えた」と話す。山影さんも「自分が困っていることは、マークを付けている他の人も困っているのでは?」と思い、「おたすけ工房」として2人で活動を始めた。
2人は、当事者や周りの人がどう感じているか知るために、SNSでアンケートを実施。声を聞く中でシールの作成を考案した。
NPO設立へ
普及方法については同校の薗(その)隆太教頭に相談。NPO法人日本サポートマーク普及協会の池田勧理事長(旭区柏町在住)が教頭の知り合いだったため、2人を池田さんに紹介。それを機に2人はNPOについて学ぶ中で「NPOという形態の方が認知されやすい」と考え、池田理事長のサポートも受けながら立ち上げの手続きを進めている。
シールは現在試作段階で、量産に向けて協力者を募っており、NPOのメンバーも探している段階とのこと。活動については現在SNSで発信している。
山影さんは「ヘルプマークの認知度はまだ低くあまり声もかけられないし、かけられても必要な援助を受けられない場合が多い。マークに対する適切な理解を周知していきたい」と語った。
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