平塚中等教育学校4年生の生徒が、老舗鶏肉店の鳥仲商店(黒部丘)と共同で新メニューの開発に取り組んでいる。6月6日には試作の仕上げを行い、6月中には同店の店舗で販売される予定だ。
平塚中等では5年・6年時に全生徒が課題研究を提出する。一般の高校1年生にあたる4年生では、その準備段階として地元商店の協力で校外学習を行う。長田凛さん、山本英三知さん、櫻井一香さん、安彦哉要さんの4人は、鳥仲商店を訪問して今年5月から総菜の新メニュー開発に取り組んだ。
天むすに似せた唐揚げおむすびを考案した長田さんは、見栄えと食べやすさのバランスと、一つ150円という価格設定に苦心した。「母が部活の時に持たせてくれた爆弾おにぎりをイメージした」という。
山本さんはチキン春巻の開発に取り組んだ。最初の打ち合わせで食べた鳥仲商店の唐揚げのタレに感動し、その味が堪能できるよう工夫を凝らした。山本さんは「タレに馴染むよう春雨の分量を増やしたり、ひき肉を追加したりした」と話す。
安彦さんが考えた揚げパンのチキンドッグは、最初の案では油が染み出し食感が悪くなってしまう難点があった。衣を付けて油っぽさを軽減したほか、「鶏肉を一口サイズにして食べやすく改良した」と安彦さん。
櫻井さんは当初、鶏肉と餅をツイストした新感覚のメニューを思いついたが、「餅は時間経過で固くなってしまうため白玉に変更した」という。最終的に安彦さんの別案のスイーツと組み合わせて、白玉とチョコレートを鶏肉で包んだ独創的なメニューを完成させた。
これまでも市内の小学校や高校と協働し、地場食材を使った新メニューの考案や販売を手掛けてきた同店。今回も専門店ならではの視点でアドバイスし、アイデアの実現を手助けした。同店の鈴木崇専務は「はじめは2つか3つに絞るつもりがどれもいいアイデアで、結局全部商品化を目指した」と絶賛した。
生徒たちが考案したメニューは最終的な調整を経て、6月中をめどに店頭に並ぶ予定。