10月の台風による樹木の葉への影響が大きく、今年の紅葉は例年のような美しさを楽しめることができるか心配です。初回はこの紅葉についてのお話です。
今ではカエデとモミジは同じに扱っていることが多いですが、古くは違った意味を持っていました。古代の染色法により、昔の人は種々の草木の汁を揉み出して、布に色を染めていました。ここから布に色づくことを「揉み出る」から「モミジ」という言葉が生まれました。秋になると様々な樹木の葉が、赤や黄色、茶褐色に色づくので、葉が色づくことを「モミジ」といい、漢字で「栬」や「紅葉・黄葉」と表しました。樹木の中でも特にカエデは良く色づく(モミジ化する)ので、いつしかカエデをモミジとも呼ぶようになりました。
万葉集では、秋の色として中国の文化を尊重し、「黄葉」の字が使われていましたが、平安時代になると、日本独自の文化が高まり、秋の色は「紅葉」へと代わっていきました。
三浦半島での紅葉は、赤・赤褐色(イロハモミジ、ヤマザクラ、ヤマハゼ、ヌルデ、ニシキギ、ナツヅタ等)、黄色(イチョウ、エノキ、トチノキ等)、茶褐色(クリ、クヌギ、コナラ、ケヤキ等)が見られます。