【小田原】地域と自然とを繋ぐ架け橋「あしがら津梁舎」が発信する『次世代のコミュニティづくり』

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【小田原】地域と自然とを繋ぐ架け橋「あしがら津梁舎」が発信する『次世代のコミュニティづくり』
穏やかな時間が流れるあしがら津梁舎

100年先を見据え、地域の自然と人の営みをシェアする

天然素材と水の循環が育む、地域と自然の共存

神奈川県小田原市、足柄平野ののどかな住宅街を歩くと、周囲の風景に溶け込みながらも、凛とした佇まいを見せる緑に包まれた建築が目に留まります。雑誌「庭」やNHK「美の壺」などのメディアでも取り上げられるなど、人々を惹きつけるこの場所が「NPO・NGOの家 あしがら津梁舎(しんりょうしゃ)」です。

管理人・山田純さんの邸宅改築を契機に誕生したこの場所は、宿坊のオープンも視野に入れた、地域の人々が自然体で集うパブリックな空間として開放されています。

「津梁」という言葉は、琉球国王・尚泰久の故事に由来します。かつて琉球が「万国の津梁(架け橋)」として世界の交易を繋ぎ、平和を願ったように、この場所もまた人と人、地域と地域、そして人間と自然を繋ぐ温かな架け橋であってほしいという願いが込められています。

山田純さん

【目次】

◆職人の手仕事と「百職彩環」の美学が息づく空間
◆建物や家具に込められた多彩な物語
◆宿坊として。五感で味わう「あしがら」の日常
◆在来メダカを守り、農業と生態系の共生を育む拠点
◆【お知らせ】「あしがら津梁舎」のこれからを共に歩む仲間を募ります

職人の手仕事と「百職彩環」の美学が息づく空間

津梁舎の扉を開けると、まず感じられるのは、五感を優しく包み込むような木の香りと温もり。この拠点を形作る上で最も大切にされているのが、山田さんが提唱する「百職彩環」という理念です。

車庫にかかる大きな暖簾に描かれた「百職彩環の言葉」

これは、多様な技術を持つ職人たちがその技と美意識を存分に発揮することで、自然環境だけでなく、私たちの生活環境も彩り豊かなものになるという考え方です。

素材の持ち味や温もりを感じさせる居室(1階広間)

建物には材木のほかにもさまざまな素材が家具やオブジェで使われている

建物の建設/改修にあたっては、日本の森林の力を直に感じられるよう、65種以上の樹木をはじめ、石、土、竹といった天然素材が惜しみなく使われています。人工的な化学物質を極力使用せず、素材が持つ本来の質感を活かした空間は、住まう人の自然と周囲の生態系の双方にとって健やかな環境を提供しています。

通路に置かれた小物入れの引き戸は異なる木材が使われ、風合いなどを見て触って感じることができる

床や椅子も温かみある素材を採用

室内を見て回り、使用されている材木の話を聞く楽しさも

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建物や家具に込められた多彩な物語

樹齢150年を超えるトチのテーブル。ヒビや凹凸にもストーリーを感じる仕立てに

象徴的なのは、コミュニケーションサロンの中央に鎮座するトチの大テーブル。これは樹齢150年を超え、一度は洞や割れによってその価値を問われた老木でした。これを職人の見事な手仕事によって、唯一無二の風合いを持つ美しい家具へと再生させています。山田さんは、「古木や老木にこそ、独特の美しさと文化的価値がある」と穏やかに話します。こうした「価値の再考」の積み重ねが、津梁舎の空間に深い物語を与えているのです。

建物と庭は「社会共通の資産」。パッシブデザインが叶える循環型の暮らし

リビングから広々と自然の庭を望むことができる

窓をフルオープンにすれば庭と一体の空間に変わる

「庭は本来、自然生態系の一部であり、社会共通の資産であるべき」。山田さんの想いのもと、津梁舎の庭は近隣との間に塀を設けず、緩やかに地域と繋がるよう設計されています。

奥に見えるのが隣家で、仕切りなく結ばれている

西側の庭にある、竈(かまど)があるテラスは、見学者や近所の人がふらりと立ち寄り、自然と親しむことができる場となっています。左官仕事のかまどで火を焚けば、そこは10人ほどが集える賑やかなコミュニケーションスペースへと姿を変えます。

竈があるテラス

屋根のある駐車スペースでは屋外ワークショップなどでも活用されている

敷地の屋内外とも、山田さんの想いが宿る

「水の循環」を肌で感じる

また、この場所では足柄平野の豊かな水資源を活かした「水の循環」を肌で感じることができます。津梁舎では、地下わずか2mから引き上げた浅層地下水が利用されており、この地下水を池の水盤や野菜の洗い場として活用するだけでなく、夏場には天然の水冷式冷風機としても機能し、周囲の温度を3度ほど和らげる効果をもたらしています。

水の存在にありがたみを感じることができる庭にもこだわりが感じられる

屋根に降った雨水も決して無駄にせず、取水管を通じて池へと集められ、アサザやヒツジ草が群生するビオトープを潤すほか、メダカたちが泳ぐ環境を守っていました。

メダカや木々に加え、私たちも潤してくれるような水の音が印象的

自然の力を賢く住まいに取り入れる「パッシブデザイン」の知恵は、宿泊者や来訪者にとって、持続可能な暮らしのあり方を実体験として学ぶ貴重な機会となっています。

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宿坊として。五感で味わう「あしがら」の日常

風変わりなテーブルがしつらえられた宿坊の2階リビング

あしがら津梁舎は、宿坊としての役割も見据えた仕立てになっています。石や木の温もりに触れ、地下水のありがたみを感じ、庭に集う生き物たちの気配を感じながら過ごす時間を提供しようと、作業が行われてきました。

取材時には改装中だった、茶室と寝室を兼ねた部屋も完成間近とのこと

2階寝室にも工芸品などが木々の温かみを伝えている

職人の技が光る「百職彩環」の空間を気長な時間の中で味わいながら、夜は静寂の中で木の香りに包まれて眠り、朝は庭から聞こえる優しい水音や鳥の声で目覚める…。単なる宿泊場所を超え、ここでの滞在そのものが、自身のライフスタイルを見つめ直す「リトリート」としての役割を果たしています。

屋根裏部分に設けられた空間では仲間との会話や自己瞑想などに最適

現代人が忘れかけている「自然と共にある暮らし」を思い出させてくれる施設の完成も間近となっています。

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在来メダカを守り、農業と生態系の共生を育む拠点

津梁舎の活動は、建物や美しい庭の魅力発信だけに留まりません。ここは小田原市桑原・鬼柳地区に住む貴重な「在来メダカ」の環境保全活動を行う事務局・拠点としての役割を担っています。山田さんは2000年頃からこの活動に取り組み、現在は複数の団体が連携して、農業と生態系の共生を目指す「生態系保全型農業」を推進しています。

  • (一社)おだわら農人めだかの郷
    耕作放棄地を再生し、休耕地の耕作を引き受け、うるち米や酒米を生産しながら、メダカが安心して暮らせるビオトープとしての田んぼを創出しています。
  • (一社)桑原・鬼柳めだか米の会
    環境に配慮して作られたお米を「めだか米」としてブランド化。適切な価格で販売・普及させることで、農家の経営を支え、活動の持続可能性を確保しています。
  • めだかサポーターの会
    市民が参加し、水田のパトロールや特定外来種の駆除、モニタリング活動を行っています。多くの市民が楽しみながら自然保護に関わることができる仕組みを整えています。

これらの活動は、休耕田を活用した農業体験や学びの場としてだけでなく、土に触れ、季節を肌で感じることで身体と心を整える場としても地域に親しまれており、その価値に賛同する人たちも増えています。

津梁舎は、こうした環境保全事業の「中間支援」を行う場所としても、地域に不可欠な存在となっています。

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【お知らせ】「あしがら津梁舎」のこれからを共に歩む仲間を募ります

あしがら津梁舎では今後、地域の農業体験の場や保育・学びを提供する場としての機能をさらに充実させていきたいという想いがあります。地域との交流、コミュニティの核としての役割をさらに広げながら、地域の生物多様性にも焦点を当てた、持続可能な活動へつなげていくことも視野に入れています。

また現在は、国産の木材を活用した「サプライチェーンから森の生態系を再生させる新たな事業」にも着手し、地域の豊かな自然を守りながら、それを次世代につなぐ循環型の経済モデル創出の試みも始まっています。

自然環境に目を向けた美しい建築と庭、そして環境保全の取り組みを維持しながら、拠点の「顔」として、運営や事務局業務を支えていく新たな仲間も募っているとのこと。地域づくりや自然環境、建築にビジネス面まで、興味や関心があり、将来的にこの場所の運営を担いたいという意欲のある方を求めています。

求める人物像…

  • 地域コミュニティの創出やメダカ保護をはじめとする環境保全活動に深く共感できる方
  • 将来的に、受付や応対から運営の核となる部分まで、津梁舎の顔として活躍したい方
  • あしがら津梁舎などのスケジュール調整、文書作成など、活動を支える業務を丁寧に行える方

募集要項…

  • 業務内容:施設運営(来客・宿泊応対、メール・スケジュール管理)、環境保全事業のサポート、中間支援業務など
  • 勤務時間:週3回以上を目安に、希望に合わせて対応。※隙間時間を活かした働き方も相談可能です
  • 給与:時給1500円以上(経験・スキルにより異なります)
  • 待遇:交通費全額支給。車通勤も可能(駐車スペースあり)
    ※その他、詳細は問合せ

小田原の豊かな自然と親しみながら、人と地域、そして未来が繋がる瞬間に立ち会えるこの場所で、経験と感性が活かせる機会にもなりそうです。詳細については、下記までお気軽にお問い合わせください。

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住所

神奈川県小田原市永塚357-10

問い合わせ

あしがら津梁舎(しんりょうしゃ)

電話

0465-42-3710

0465-42-3710

メールアドレス

info@sakawagawa.org

公開日:2026-05-29

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