川崎市中原区にある、川崎市市民ミュージアムでは「開館30周年記念・収蔵作品名品集 新藤兼人特集」を10月6日から開催しています。
映画監督、脚本家として知られる新藤兼人は、1950年に日本の独立プロダクションの先駆けの一つである「近代映画協会」を設立し、作家の独立性と自由な創造活動を追求し、社会性の強い作品を精力的に作り続けました。
今回の「新藤兼人特集」ではその系譜に沿った作品が10作品、市民ミュージアムの所蔵フィルムを中心に上映されます。会場は市民ミュージアム内の映像ホールです。
上映作品
- 原爆の子:1952年/モノクロ 近代映画協会の自主製作作品第一号
- どぶ:1954年/モノクロ 高度成長期前の社会の片鱗を鋭く切り取った野心作
- 狼:1955年/モノクロ 戦後不況の中の市民を描いた社会派ドラマ
- 人間:1962年/モノクロ 野上彌生子の「海神丸」が原作。西伊豆でのオールロケーション作品
- 母:1963年/モノクロ 戦後の広島を舞台に女性の人生を描く
- 裸の十九歳:1970年/モノクロ 連続射殺事件を起こした永山則夫をモデルにした作品
- 讃歌:1972年/カラー 谷崎潤一郎の「春琴抄」を原作にした作品
- 心:1973年/カラー 夏目漱石の「こころ」の第3部「先生と遺書」を一つの物語として独立させた作品
- 三文役者:2000年/カラー 俳優、殿山泰司の人生を映画化。近代映画協会の創立50周年記念作品

三文役者©近代映画協会
- 一枚のハガキ:2011年/カラー 自身の戦争体験を元に描いた反戦ドラマ。98歳の日本現役映画監督最高齢での作品

一枚のハガキ©2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス
スケジュール
会期期間中の土曜日と日曜日のみの上映です(一部休映日あり)。チケットは当日券のみ、10時から15時まで(12時から13時は休止)の販売。各回定員に達し次第、販売終了です。定員は270人。