牧野の家具専門店「ふじのリビングアート BC工房」(上田麻朝代表)のギャラリーで9月1日(日)まで、同じ地区にある障害者支援施設「くりのみ学園」(今井康雅園長)の利用者が造形したアートの展示販売会が開かれています。BC工房の上田代表は、「作品を介して、障害のある方たちのことをもっと地域の人に知っていただけたら」と話します。
同施設では現在、20代後半から80代までの知的障害などがある人が、入通所を通じ、状態に応じて生活介護や日中活動などの支援を受けています。
30年以上前から同施設では活動の一つとして陶芸に取り組んでいる。10年ほど前からは近隣に住む陶芸家・中村藤平氏を作業指導者に招いています。
今年4月、中村氏や藤野の芸術家らの協力のもと、相模湖交流センターで学園単独としては初めての作品展を開催しました。後日、中村氏が親交のあったBC工房の鈴木惠三会長と上田代表にその話をし図録を見せたところ、感銘を受けた両氏が店内ギャラリーでの作品展開催を提案しました。
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2つと同じ物のない焼き物が並ぶ
展示は十数人の作品で陶芸だけでなく絵画やオブジェ、小物など優に100を超える。上田代表は「実物を観ると集中力や感性が感じ取れる。同じ色でも塗り方や濃さに作品へのめり込む様子が見える」と評価し、「会期中も時々、利用者の方がここで創作しています。作品を通じて地域交流が深まれば」と思いを話す。
同施設の今井園長は、「利用者が自分自身を表現するツールとして陶芸や絵は適している。細かな計算や作業効率といった面でハンディはあるが、芸術的な活動に際して、作為的に『よく見せよう』という構えがない。それを評価していただいている。人の心を打つ物を制作するというのはすばらしいこと。社会にこういう才能もあるということを知ってもらいたい。機会を提供していただき、ありがたい」と話しています。
作品展にはもう一つ意義が。施設利用者には高齢者も多く今回もほとんどが年配者の作品です。「若い時は親が面倒を見てくれるが、歳をとれば障害者も自活していかなければならない。皆が作品をコレクションすることで障害者が自分でお金を稼ぐことができる」と鈴木会長。同施設利用者の作品の販売益はすべて「くりのみアート基金」として学園に寄付されます。
上田代表は「準備期間が短かったが、例えば店で扱う木材を生かすなど、良い作品はもっと生まれると思う」と今後の取り組みにも意欲を見せています。
作品展では日連の障害者生活介護事業所「ふじのタンポポ」利用者が作ったトートバッグも販売します。