箱根町仙石原に住む広田いとよさん(46)が、クラウドファンディング(ウェブを通じた資金調達システム)で読み終えた本を再活用するブックシェアリングの場を町内に作ろうと資金を募っている。
まちなかに本を
広田さんは20代をパン職人やパティシエとして過ごしてきたが、「本や文章に携わる仕事をしたい」と30代で転職し、都内で校正者として働いていた。友人を介し、読み終わった本を持ち寄り販売する「一箱古本市」の存在を知り、本を通じて人とつながる楽しさにのめり込んだという。
3年前、結婚を機に仙石原に移住。ホテルなどで仕事を経験する中で、同僚から「箱根には地元の人が遊べる場所がない」という声をよく聞いた。加えて、仙石原にあった唯一の本屋は約15年前に閉店しており、「本を読める場所がまちなかにほぼ皆無」ということが気になっていたという。「地元の人々が集える拠点のような場所があったら」と本を通じた場づくりを思い付いた。
開店予定は3月20日
店舗は、10年以上空き家となっていた義父の生家である元「みやげ店」と「畳店」を改装し、開店は3月20日(土)を予定。「畳の部屋がある落ち着いた環境で、ゆったり本を選び、くつろげる空間を目指したい」と広田さん。70万円の目標額に対し、現在50万円以上が集まっている。締め切りは2月15日(月)。返礼品にはドリンク券や1日店長などを用意している。