茅ヶ崎駅から徒歩1分の場所にある会計事務所湘南フロンティア。所内のコミュニケーションツールがチャットやオンライン電話になっただけでなく、愛媛県在住の所員をフルリモートで採用するなど、新しい働き方を積極的に採用しています。そこで米森達也代表と田村耕太郎副代表に、事務所を茅ヶ崎で開いたきっかけをはじめ、地域への思い、リモートワークなどの新しい働き方への取り組みを聞きました。
茅ヶ崎で開業。茅ヶ崎を選んだ理由
会計士歴13年目、都内の会計事務所で数年勤務した経歴を持つ米森代表。
「あえて都心ではない第2・3都市の地域で仕事をしてみたかった」と藤沢の会計事務所に転職し、条件に合った物件が見つかったことから茅ヶ崎に移住しました。
「茅ヶ崎はみんなオープンで受け入れてくれる。仕事でもプライベートでも住みやすくて、気付けば居ついていました」と笑顔で話します。
2017年2月に個人事務所をつくり、独立。2018年夏には事務所も茅ヶ崎に移転し、今では米森代表のほかに4人と、パート数人で事務所を動かすまでに成長しました。
「私たちは、開業時から『地元の身近な専門家』をスローガンに活動を続けています。
茅ヶ崎市で事業をしている方が、困ったことがあったときに湘南フロンティアに相談していただくことで、事業がよりよい方向へ進むことをお手伝いしたい。事業が順調な企業が増えれば、さらなる茅ヶ崎市の活性化にもつながるのではないか」と米森代表。そんな願いも込められています。
一般には見えない会計事務所の仕事とは?
会社を創業したい人や後継者問題、経営に悩む人などに対し、どうすれば解決できるのか、人々の生活や暮らしに寄り添って会社や個人問わずに幅広く対応しています。
例えば、経営状況を把握するのが難しいとお悩みだったお客様に、売上や取引先のレポートをご提供したところ、
「こんなに稼いでいたんだ」「こんなこともできるのね」といった声をもらうことも。成長するための新しい気付きを提供しています。
相続に強い。感情が絡む交渉力
顧客の中には生前に相談を受け、遺言書を作成した人も多くいます。
米森代表は「相続のご相談は、悲しみの中で感情が絡んできて、どうにもならないことがあります。このようなときは、ご遺族のトラブルがないような調整力と交渉力が重要になります。
税理士でこうした仕事を担うことができるのは、全体の1~2割と少ないです。
相続は複雑な手続きも多く、誰にでもできるものではないからこそ、とても重要だと考えています」と言います。そこにはお客さんのためを思って事業を行う姿がありました。
“次世代に託す”最新のICTを活用
田村副代表は大手の会計事務所に勤務していた際に、勤務先で共に働く、中国・韓国・インド出身の同僚がデジタルツールを使いこなしているのを見て、日本が出遅れていることを痛感。「デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる現代で、ICT技術を活用できるようにならなければ、日本が世界から取り残されてしまう時がくる」と危機感を抱きました。
「日本を支えているのは中小企業です 。中小企業がしっかりと本業に注力するためには、バックオフィス業務の効率化や、手段としての様々なデジタルツールを活用することで、本業にかける時間をもっと増やしたり、見えていなかった情報を顕在化することが必要になってくると思っています。
湘南フロンティアの専門分野である会計や税務の知識に関するご提案はもとより、ICTのツールの力を使って中小企業の生産性の向上に少しでも貢献していきたいです。その結果として中小企業の力を取り戻し、さらに子供たちの世代に明るい未来を切り開くことにもつながるのではないかと考えています。
そんな思いを達成したいという気持ちで、まずできるところから提案しようと、クラウド会計ソフト「freee(フリー)」の導入支援を積極的に進めています」と田村副代表は言います。
新しい働き方のモデルに。リモートで業務効率化
学校の保護者が集まる場で、親御さんたちの中にキャリアがあるにも関わらずそれを生かす環境が限られていることに衝撃を受けた米森代表。それがコロナ禍の中で完全リモートワークの人材採用に踏み切ったきっかけとなりました。
インターネット上で採用活動をしたところ、東北や四国など全国各地から募集が来たといいます。結果、愛媛県在住の男性を採用。会ったのは一度きり。それでも米森代表は「リモートワークをすることのデメリットはないと思っています。私が横浜などに出かけている先から、茅ヶ崎にいる事務所のメンバーとやり取りするのと、愛媛にいるメンバーとやり取りすることは変わらないと実感しています」。
常に新しいことに挑戦しようという姿勢が伺えました。
フロンティア=最前線 目指す理想像とは?
事務所の名前にもなっているフロンティア(frontier)とは、最前線、最先端という意味です。この日、米森代表が何度も「会計士・税理士のハードルを下げたい」と口にしていたのが印象的でした。
「会計士、税理士って聞くと敷居が高そうとか、お金が高そうって思われると思います。でもなんでも困ったことや分からないことを電話してくれる環境作りをして、専門性を追求した最新の知識を提供したいんです」と熱い気持ちをのぞかせていました。そんな米森代表が話すフロンティアの理想像は「お客様の不安を取り払って、安心を提供できる存在になる」こと。「表面化しない悩み事でも、話を聞くことで課題がみえてきて、それが少しでも改善できたら」と顧客のために奔走しています。