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<ヨガインストラクター 山口陽平さんの茅ヶ崎暮らし>茅ヶ崎で大切な家族と“ヨガ的”に暮らす

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<ヨガインストラクター 山口陽平さんの茅ヶ崎暮らし>茅ヶ崎で大切な家族と“ヨガ的”に暮らす

茅ヶ崎市東海岸南在住 山口 陽平(やまぐち・ようへい)さん

神奈川県綾瀬市出身。2014年に初めて茅ヶ崎を訪れ、2016年に転居。フリーのヨガインストラクターとして東京、神奈川の各地でレッスンを展開。妻と息子さんの3人暮らし。お母さん、お姉さんも自宅のそばに暮らしており、家族みんなで茅ヶ崎ライフを楽しんでいます。

「家族が元気になれる場所」を探して、たどり着いた茅ヶ崎

「こんにちは!」元気なご挨拶とともに迎えてくれた山口さん。健康的に焼けた肌と鍛えられた身体が印象的です。そんな山口さんが茅ヶ崎を暮らしの場として選んだ背景には、家族の絆をめぐる「物語」がありました。

「きっかけは、父の急逝でした。2014年の4月に入院して、当時社会人1年目だった僕は大阪にいたんですが、週末ごとにお見舞いに戻っていました。しかし、わずか3か月後に亡くなってしまって。母も相当堪えていて、一番大事な時に、大切な人たちに寄り添えないことがとてもやるせなく、悔しかったですね」

家族のあり方を見直したいと思った山口さんは同年10月に仕事を休職し、異動希望を出して故郷の綾瀬に戻ることを決意。しかし、父を失った一家の悲しみがそう簡単に癒えることはありませんでした。「母から『思い出の詰まったこの家に住むのは辛い』という話があって。その気持ちは痛いほどよくわかったので、母の思いを汲むことにしたんです」

そんな中で、一つの転機が訪れます。気晴らしにと皆で旅行したハワイで、母が見せた久々の笑顔。それを見た山口さんは思ったそうです。「日本でも母が元気になれる場所を探したい」と。

ある日、茅ヶ崎暮らしに興味を持っていた親友とともに湘南の不動産屋に行くことに。すると、次第に山口さんにも物件への興味が湧き始め、話を聞いてみると…。「気がついたら親友よりも先に僕たち家族が茅ヶ崎に来ることになっていました(笑)」

始めは3人で茅ヶ崎の浜竹の借家で暮らし、その後茅ヶ崎のまちが気に入って本格的に家の購入を検討し始めます。「購入の際にはある不動産屋さんが、土地・物件探し、住宅ローン、移住後のコミュニティへのお誘いなど何から何まで教えてくれました。僕たちはこの人を“まみちゃん”と呼んでいますが、一家にとって恩師とも言える存在です」

「茅ヶ崎に来てから母がすごく元気になって、フラダンスやウクレレも始めました。周りに暮らす方が茅ヶ崎のことをいろいろ教えてくれて、すぐに僕たちを受け入れてくれました。他のまちにない人のやさしさや大らかさを感じましたね」

お姉さんと山口さんは結婚を機に一度茅ヶ崎を出ましたが、今ではそれぞれ茅ヶ崎で家を持って暮らしています。「結婚当初は都内に住みましたが、子育てするなら茅ヶ崎がいいと思い3か月で戻りました。同じ時期に物件を探していた親友も茅ヶ崎に移ってきて、暮らしを豊かにしてくれる人が身近にいて、毎日がとても充実しています」 

青春の続きを茅ヶ崎で。仲間とともに楽しむ子育て

3歳の息子さんがいらっしゃる山口さん。「ご近所の皆さんがみんな息子のことをかわいがってくれます。人と人との距離が近くて、店や海に行けば仲間が集う安心感がある。まるで昔からの友だちと青春の延長を過ごしているような気分です。みんなで子どもたちを見守り、一緒に良い年の重ね方をしていきたいですね」

自宅のベランダで楽しむ家族との時間。笑顔が弾けます。

家族でよく行く場所はやはり、海。「自転車で行きます。家族みんなでジュースを買って、『今日も最高だね』と話しながらサンセットを見るのが一番幸せな時間です」

サーフィンで自分の気持ちをリセット

日頃からサーフィンを楽しんでいる山口さん。過去には何度もハワイ、バリ、カリフォルニアへサーフトリップに訪れました。「最近は仕事の合間に楽しんでいます。いい波がきている時に、仲間と連絡を取り合って気軽に海に行けるのがいいですね」

ビジターのサーファーも広く受け入れる印象があるという茅ヶ崎の海。ここでも心地良い距離感を感じているようです。

サーフィンが日常に溶け込んでいるのも茅ヶ崎暮らしの魅力の一つ

サーフィンの楽しみはいい波に乗ることだけではないといいます。「海に入っていると気持ちがリセットできますね。塩水で清められるというか、なんとなく調子が悪くても全部海がニュートラルで自然な状態に戻してくれるんです」

サーフィンの他に好きなものを尋ねてみると、返ってきたのはなんと“神社”。「目に見えないものとつながろうとするのが好きなんですよね。僕は、人の優しさや温かい気持ち、自然の中など、いろいろなところに神様がいると考えているんですけど、茅ヶ崎ではいろんな場面で神様の存在を感じられます。人やまちに愛があふれていて、暮らしていてとても優しい気持ちになれます」

親子でお祈り(箱根・九頭龍神社)

“ヨガ的に生きる人”がたくさんいるまち

スピリチュアルで独特の世界観。それは山口さんのお仕事と深く関係しています。フリーのヨガインストラクターとして、東京や神奈川の各地でレッスンを展開。自宅でもレッスンを行っています(コロナ禍により現在はオンラインで実施)。

「レッスンを通じて、身体とともにメンタルを整えていきます。特にヨガで大事なのは呼吸ですね。息という漢字は、自分の自に心と書きますよね。息(呼吸)を整えることで、自分の心の扱い方を学んでいきます。体の柔軟性には神経が深く関わっていて、深い呼吸をすると血液の流れが良くなり、体もほぐれてきます」

青空の下で行うビーチヨガで、身も心もスッキリ!

続けて、こんなお話も。「ヨガで感性を磨き、自分の身体から湧き出てくる五感以外の内感を感じていく。すると、脳がすごく活性化した状態になれることがあります。スポーツの世界だとゾーンなどと言われますが、自分の気持ちや感覚に身を委ねるのはただただ心地良くて、自然に還ることができますよ」

取材前に抱いていたヨガのイメージとは全く違った精神世界のお話。実に興味深い!

茅ヶ崎とヨガの相性を聞いてみると、「とても良いですね。茅ヶ崎は深呼吸ができる場所。ヨガでは呼吸が大事とお伝えしましたが、深く呼吸ができると自律神経が整います。僕もレッスンで都内に出かけることがありますが、やっぱり気を張ってて呼吸も浅く、疲れを感じやすくなる。茅ヶ崎に帰ってきて息を吸い込むとリラックスして、自分のチャンネルに戻れますね」

「すごく明るいエネルギーが流れている」と語る茅ヶ崎のまち。「もともとヨガにはサンスクリット語で『つながる』とか『調和する』といった意味があるんですが、自分や人とつながり、自然と調和しながら良い顔でまちを歩いている人がたくさんいる。ヨガ的に生きている人が多いと感じます」

ヨガがよく似合う茅ヶ崎の海

レッスンでも象徴的なシーンが。「親子で参加していた方で、互いにポーズを直しながら楽しそうにされていたんです。レッスンの最後に5分間、目を閉じて横になるんですけど、その2人が手をつないでいた。その様子に何となく茅ヶ崎らしさを感じて、心を打たれました」

親子2人から感じた“茅ヶ崎らしさ”。詳しく聞いてみると「茅ヶ崎に暮らす人はいい意味で“茅ヶ崎ナイズド”されて、余分なものをそぎ落として自然体に戻っていく。そうして残る大事なものって、家族やありのままの自分といった、本質的なものなんです。自分が本当に大事だと思うものに気づいて、その気持ちに素直になれる。茅ヶ崎のまちがそうさせていると思うんですよね」

茅ヶ崎の海で見かけた流木に腰を下ろして手をつなぐ老夫婦に憧れるという山口さん。家族への愛や、大切なものへのリスペクトを素直に表現できるオープンなカルチャーが茅ヶ崎には根付いているようです。

K-ohana’s、フラワーコーヒー、LUFT。お店の人から感じられる“茅ヶ崎愛”

すっかり茅ヶ崎にハマっている様子の山口さんに、お気に入りのお店を聞いてみました。

「まずは『K-Ohana’s』です。僕が妻と結婚したタイミングで開店したお店で、結婚パーティーをさせてもらったんですけど、お店としてもそれが初めてのパーティーだったという思い出のお店です。今でも家族ぐるみで仲良くさせてもらっています。

他には雄三通りにある『フラワーコーヒー』。引っ越してきた当初に茅ヶ崎のことをいろいろと教えてくれたお店です。あとは鉄砲道にある『LUFT』。実は僕、植物も好きでここによく通っています」

山口さんの思い出のお店「K-Ohana’s」の海の家「ケイオハナズビーチハウス」。(右はオーナーのけいいちろうさん)

グリーン専門店「LUFT」

茅ヶ崎には自然とファンになってしまうお店が多いと語る山口さん。その理由は店主やお店から感じる雰囲気だといいます。「買い物や食事に行く時、お店の商品やサービスに人の温かさを添えてくれる。そうやってちょっと幸せな気持ちにさせてくれるのはとても素敵なこと。茅ヶ崎に根付いている皆さんは、茅ヶ崎への愛や感謝を表現するためにお店を開いているように感じます」

市内鉄砲道にあるお気に入りのお店の一つ「DIG IN SANDWICH」。自転車でふらっと訪れて、テラス席で家族やお友達とおしゃべり。そんなライフスタイルを楽しめるお店です(右はオーナーの内海さん)。

茅ヶ崎をヨガとサーフィンの聖地に

移住から5年が経ち、今では「茅ヶ崎以外で暮らすことは考えられない!」と言い切る山口さん。今後の目標は「茅ヶ崎をヨガとサーフィンの聖地にすること」です。

「南カリフォルニアにエンシニータスという、ヨガとサーフィンの聖地があります。“天国に近いまち”とも言われるそのまちでは、住民がヨガマットを持ってまちを歩くくらい、ヨガが根付いている。僕も当時10か月の息子を連れてヨガの勉強に行ったのですが、まちの人が微笑んでくれたり、席を譲ってくれたりと、みんなすごく優しいんです。僕は、茅ヶ崎がそんな“聖地”になれる可能性を秘めていると思っている。茅ヶ崎への愛をヨガで表現して、ヨガを浸透させたい。そして、茅ヶ崎をピースフルで愛のあふれたまちにしたいです」

最後に、茅ヶ崎暮らしを考える方へのメッセージをいただきました。

「僕は、自分が好きなことをやっている中で自然と集まってきたものの集合体がライフスタイルだと思っています。茅ヶ崎は、好きなことを追い求める生き方ができるまち。まずは足を運ぶだけでも、仮に住んでみるでもいいので、ぜひ茅ヶ崎の良さを肌で感じてもらいたいです」

一度失いかけた家族の絆を取り戻したいという思いから始まった、山口さんの「物語」。その続きはこれからも茅ヶ崎で紡がれていきます。「家族を元気にしてくれたこのまちに恩返ししたい」と語る笑顔は、太陽のように輝いていました。

information

■山口陽平さん
https://yoheiyoga.com/
https://instagram.com/yoheiyoga
■K-Ohana’s Surf locker & Cafe dining  
https://www.facebook.com/k.ohanasurf/
■FLOWER COFFEE/BREW BAR
https://flowercoffeebb.tumblr.com

<ちがさき創業物語vol.5>

 
■LUFT 
https://instagram.com/luft.green
■DIG IN SANDWICH
https://www.diginsand.com

<ちがさき創業物語vol.13>

山口さんの茅ヶ崎暮らしマップ

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公開日:2021-08-20

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