神奈川県はこのほど、南足柄市矢倉沢と箱根町仙石原をつなぐ県道731号(通称・南箱道路)が4月28日に開通予定と発表した。途中、台風被害などで開通のめどが立たない時期もあったが、施工からおよそ8年にしてようやく、2つの市町をつなぐ交通ルートが完成することになる。
南箱道路(約10・9Km)は既存の林道を活用し県道に格上げし、災害時の代替ルート確保のほか広域連携による観光振興、地域活性化、箱根地域の渋滞緩和などを目的に2013年度に整備が始まった。
当初、東京五輪・パラリンピックの開催に合わせて20年の開通を予定していたが、19年の台風で7カ所で崩落など発生。工程が全面的に見直され、今春開通を目指して整備が進められていた。
通行可車両は制限あり
県道への格上げに伴い、新たにガードレールの取り付けや待避所の設置、のり面の整備、道路の舗装などの安全対策が施された。国立公園などを通過するため極力地形を改変せず整備したため、開通後に道路を通行できる車両には制限があり、具体的には、乗車定員11名以上の乗用車と最大積載量3t以上の貨物車は通行できない。
愛称は「はこね金太郎ライン」に決定
道路の愛称は、2020年8月から10月にかけて公募し、1190件の応募の中から鈴木利明さんが応募した「はこね金太郎ライン」に決まった。
県機関・有識者などで構成する選考委員会が1190件の中から入賞作品を決定。その結果をもとに県、南足柄市、箱根町が愛称を決めた。県が管理する県道で愛称が決まるのは初めて。
道の駅「あしがら・金太郎のふるさと」の集客にも期待
また道路の開通を見込んで、昨年6月に南足柄市にオープンした道の駅「足柄・金太郎のふるさと」が国際観光地・箱根の新しい東の玄関口となり、県西地域のゲートウェイとして地域産業の振興と経済の活性化に一翼を担うことが期待される。