まるでヨーロッパの古都のようなたたずまいのコミュニティアパート「pas a pas」(パザパ)。実はココ、八王子市散田町です。この建物も含め、周辺で大家業を営む渡邊雅彦さんは「自分がまだ子どもだった頃、散田町のこのあたりには、かつて商店街があって賑わっていたんですよ」と話します。新たな街としての活気づくりの第一歩がpas a pasだったそう。
- そんな渡邊さんの目標は「散田町の渋谷・原宿化」。「つまりは『行きたくなる街』と渡邊さん。「たとえば『渋谷・原宿に行けば何かありそう』という期待感があります。用事がなくても行きたくなる場所。そんな街にするためにはエリア全体で雰囲気を作っていかなくては」。大家さんだからこそできる街作りに挑戦しています。
次の一手「奇遇庭(きぐうてい)」
渡邊さんの新たな挑戦は、自宅の庭を使った新しい空間「奇遇庭」。pas a pasや別の物件(ワタルビル)も含め、散田エリアの点と点をつないでいくハブとしての役割を果たします。具体的な構想としては庭と「離れ」を活用した「撮影スペース(ハウススタジオ)やレンタルスぺ―ス」を考えています。
「何からすれば」「どうすれば」リフォームの悩みも受付
次の展開の1つとして考えているのがリフォームの際のアドバイザーです。「リフォームといっても、『どんなデザインや構想にすればいいのかわからない』ということも多いでしょうし、『どこに頼めば、理想のリフォームができるのかわからない』ということがあるかと思います」と渡邊さん。
「職人によって得意不得意は必ずあります。施工主のイメージに合わせて『テラコッタ』や『チャイナブリック』を提案できる職人もいる。庭であれば『ここは夏場は日差しを遮り、冬は日差しが届くように落葉樹にしましょう』とか、風の通りや水はけなどを考慮するなど、職人のセンスも問われます」。渡邊さんが、理想の庭や家のリフォームのためのイメージ作りや職人手配も行ってくれるそうです。
コロナ禍での新しいプレイス
「従来のような『人通りの多さ』で出店計画を立てる時代は、もう来ない」と渡邊さん。新しい「場所としての魅力の創出」によって、そこで発生する人と人との繋がりこそが、物件の価値になると考えています。