町田市はこのほど、認知症に対する正しい理解を深めてもらう目的で、認知症当事者の「生の声」をまとめた冊子「認知症になっても私はわたし〜認知症と生きる希望とリアル〜」を作成した。冊子は認知症サポーターのテキストとして活用するととともに、概要版は市内の高齢者支援センター等で無料配布される。
当事者も登場
冊子には14人の認知症当事者が登場。「認知症と生きる身近な人からのメッセ―ジ」と題したインタビューを通じて、認知症になったかもしれないと思ったきっかけや日々の不安、日常生活で注意していることや生きがいなどの「生の声」を伝えている。
実名で冊子に登場した一人、市内在住の岡本寛治さんは約10年前に認知症の診断を受け、経営していた広告会社を整理。現在は竹林整備等のボランティア活動など地域交流を楽しんでいる。
症状が出始めたときは不安で夜も眠れない時期もあったというが「知ることが力になった」と岡本さん。診断されるとすぐに認知症であることを周囲に宣言した。「周りが理解して付き合ってくれればいい」と話し、積極的に社会参加。今では昔より社交的になったと言われるほどだ。
認知症の人に優しいまちづくりを
インタビュアーを務めたNPOひまわりの会代表・松本礼子さんは「認知症になっても前向きに自分らしく暮らしている人たちがいて、率直な思いを言葉にされています。冊子をきっかけに認知症の人に優しいまちづくりが広がれば嬉しい」と話す。
DカフェやまちだDサミットなど市の認知症施策についても紹介。
冊子はA4判20ページで3000部発行。概要版(4ページ)は20000部発行。問合せは市高齢者福祉課【電話】042・724・2140へ。