中区長者町5丁目の「横浜伊勢佐木町ワシントンホテル」は2021年末で営業を終了する。4月20日に発表された。現在は、新型コロナウイルス感染症の無症状・軽症者の宿泊療養施設として神奈川県に貸出を行っており、貸出期間終了と同時に閉館する。
同ホテルは1990年に開業、藤田観光(株)=東京都=が運営する。総客室数399室を誇り、横浜市営地下鉄伊勢佐木長者町駅徒歩1分、JR関内駅徒歩5分で利便性がよくビジネスや観光、ショッピングの拠点として多くの客をもてなしてきた。今回の営業終了について同社の担当者は「賃貸借契約期間の満了によるもの」と説明する。今後の活用は未定。桜木町にある「横浜桜木町ワシントンホテル」は営業を継続している。
「シンボル」的な建物
同ホテルの営業終了に伴い、地元からは惜しむ声が聞かれた。中区で130年以上生花店を営む花松(横山慶子代表)=中区曙町=は、同ホテルに花卉(かき)の仕入れをホテル開業時から担当。毎年夏に、アレジメント教室の会場としても使用していた。横山代表は「ホテルの開業当時は関内やみなとみらいにもホテルが少なく、シンボル的な建物だった。長年付き合いがあり、教室後のみんなでランチを食べるのが楽しみだった。営業終了は残念です」と話す。
同ホテルは長者町5丁目の町内会にも入会。同町内会の納涼祭などのイベントは同ホテルで開かれており、地元とのつながりも強かった。同町内会で役員を務める島田直樹さんは「地元の人は親しみあるホテルだった。納涼祭では、ホテルスタッフの方も参加いただき、皆で楽しんだ思い出がある。これから寂しくなります」と同ホテルへの思いを話した。