明神町の都営八王子アパート跡地に4月28日、「明神町なかよし公園」が開所した。同公園が位置する明神町二丁目町会が東京都や八王子市に公園新設の要望書を提出してから15年。住民の念願が叶った形となった。
市街地の新設「非常に珍しい」
明神町なかよし公園は、広さ約3000平方メートル。八王子駅繁華街に近く、住宅街に位置している。市まちなみ整備部公園課によると、「中心市街地にこの規模の公園ができるのは非常に珍しい」という。
同園には遊具や芝生広場のほか、マンホールトイレやかまどベンチなど、防災機能を充実させている。「近年の自然災害から、一時避難場所にもなる公園整備は住民の願いだった」と話すのは、明神町二丁目町会顧問の並木勇さん(82)。開所に尽力した一人だ。
民間売却の噂覆す
同園の場所には、もともと都営の小規模団地が建っていた。老朽化を理由に2006年、団地の解体撤去が決まった。当時、町会長を務めていた並木さんの元には「都が土地を民間に売却するらしい」という話も聞こえてきた。並木さんは「この辺りは、公園が少ない。新たな集合住宅より、地域住民の活動の場として利用できないか」と考えたという。
同年9月、同町会内で議論を重ね、都と市にその旨を記した「都営八王子アパート跡地に関する要望書」を提出した。ただ、当初は予算などの理由から「実現は難しい」とされていたという。
提出から10年以上経った2018年に同園の基本計画が策定された。並木さんは「もう忘れかけてたときに、やっとかと。でも嬉しかった。安心して後任の方に引き継げた」と、策定の翌年、会長職を退いた。
現在、同町会の会長を務める本田凡さん(73)は、同園を訪れる親子連れを見て「この地域に小さなお子さんがこんなに多かったのかと驚いた」という。
名称は、近くの第四小学校の児童が考えた。本田さんは「名前の通り、さまざまな世代が集まり仲良く触れ合う場になれば」と期待を込めた。