衣笠仲通り商店街の空き店舗の新たな活用策として今年10月2日から始まった、横須賀美術館との協働企画展示「こっちの街とあっちの街 衣笠商店街と谷内六郎《週刊新潮表紙絵》」。会期終了が迫る中、その取り組みを紹介します。
横須賀美術館の〝サテライト〟会場
今回の展示は横須賀美術館で行われている、横須賀と縁の深い作家・谷内六郎さんの作品展との連動企画。
会場には谷内さんの作品展示のほか、衣笠小学校5年生が夏休みに商店街で行われたワークショップや学校の「総合的な学習の時間」を通じて学んできたことを基に作成した紹介文が、作品ごとに添えられています。
商店街が空きテナントスペースの活用方法を模索する中で、今年が谷内さんの生誕100周年の年であることや、衣笠小学校の授業に美術館が協力していたことなどが重なって実施に漕ぎつけたそうです。商店街としてはもちろん、美術館としてもこうした取り組みは初めてでした。
作品展示に加え、会期中盤からは児童たちが地元・衣笠の魅力を調べ、グループごとにまとめた大きな紙も展示され、校外での学習発表の場としても機能しています。
徐々に手応え、次の企画も計画中
商店街の木継芳孝理事長は「新しい試みで少しずつだが、やってよかったという手ごたえは私も商店街役員も感じている」といいます。企画を目当てに来街を促すだけでなく、商店街が子ども達の学びの場となり、調べることで愛着を持ってもらうなど、目には見えない効果に期待を膨らませていました。
来街者からの反応も良く、買い物を手にしながら〝ふらり〟と足を運ぶ人も度々目にできます。こうした好評を受け、年明け以降も新たな企画を計画中だそうです。お買物をする商店街にいく目的がひとつ増えそうですね。会期は12月12日(日)まで、午後10時30分から午後4時30分、入場無料。
横須賀美術館でも生誕100年を記念した所蔵品店を開催中です。原画や印刷物、装丁本、手作りオモチャなど300点で振り返る回顧展。12月12日㈰まで、観覧料一般380円。
046-845-1211