「人が生まれてから死ぬまでの喜怒哀楽に寄り添いたい」。創業から根底に脈々と流れる思いを受け継ぎ、長後の街とともに歩みを進めてきた㈱羽根澤屋。
円行出身で㈱伊勢丹の創業者である小菅丹治氏の指導を受け、明治27年に創業。時代と共に、着物から洋装が一般的となり、婦人洋品を取り扱うようになると、次第に学生服や玩具、寝具、返礼ギフトなどの取り扱いも開始した。
約25年前には葬儀も手掛けるように。その頃、福原さんは先代と縁あって入社し、「自分にできることを」と奔走。前職の百貨店で培ったノウハウを生かした〝心〟で送り出す葬儀は自然と地域に根付き、現在は、羽根澤屋会館と綾瀬斎場、2つのホールを運営するほどになった。
「人生の節目である冠婚葬祭に係わるのが呉服店。お宮参り、七五三、入学・卒業、成人式、婚礼、旅立ちまで節目に欠くことのできない品物を取り扱っている」と福原さん。振袖や卒業袴、七五三用レンタル品も豊富に取り揃え、2年前には写真スタジオ「プリュム」をオープンした。
さらに、「コロナ禍で厳しい中、長後や藤沢の街が少しでも元気になれば」と飲食店とタイアップし、食事処「羽根澤屋別邸 日本料理 満うら」が開店した。四季折々の花々が楽しめる趣ある庭園風景と美味しい食事で、祝い事の席や接待、会食など、家族や仲間と共に過ごす貴重な時間に彩りを添える。時代に即した多角経営は、地域活性の一端を担っている。
企業紹介
明治27年創業。呉服・和装小物・七五三販売レンタル・手作りマスク・婦人服・靴・寝具雑貨・健康器具・仏具・ギフト商品・学生服など幅広く取り扱う。葬儀会館や写真館、飲食店なども手掛け、時代に即した多角経営を展開する。