新型コロナウイルス感染拡大防止の協力金交付対象から外れるキッチンカー事業者を支援しようと、小田原市が公共施設活用策の一環とした応援プロジェクトを行っている。感染症再拡大で各種行事の開催可否が議論される中、市の関係者は「コロナ禍だからこそ支援を」と活動に取り組んでいる。
市の経済部商業振興課によるキッチンカー応援プロジェクトは、市内を拠点とする9事業者による小田原北条キッチンカー組合(塚田健仁代表)と連携し、公共施設で飲食を提供する活動。時短要請等に応じた飲食店に県が交付した協力金の対象外となったキッチンカーを市職員が「食べて」支援しようと企画された。
取り組みは、昨年10月に組合を官民連携で立ち上げ、市役所正面で試験的にスタート。メニューや設置場所は、市職員の意向を調査するなど検討と改善を重ねている。
現在は市役所(市内荻窪)がけやき通り横の駐車スペースで毎週火曜、上下水道局(同高田)では隔週火曜、小田原競輪場(同城山)が競輪非開催日(不定期)にキッチンカー2〜3台が軒を並べている。上下水道局以外は一般利用も可。
継続に双方意欲
1月18日には市役所にスープカレーと焼き肉弁当が登場し、昼過ぎから密を避けた行列ができていた。市職員の一人は「スマホ決済ができる店も多く、できたてを素早く購入できるのも魅力だと思う」と話した。
市商業振興課によると、市役所では職員に加え、来庁者や近隣住民の利用も伸びており、1日70食分ほどの売上があるという。同課職員は「営業時間を午後6時まで延ばしたことにより夕方の需要も掘り起こせた。何より事業者が営業時間の延長などにも柔軟に挑戦してくれていることが大きい。再びの感染拡大だが支援活動として続けていきたい」と語る。
唐揚げメニューを提供する「フードトラック キング」を運営する同組合の塚田代表は「競輪場では近隣の方や学生向けのメニューを考えるなど、売り上げ面だけでなくリサーチの場にもなっている。衛生面への対応をきちんと行い、今後は組合員を増やすなどして飽きさせない取り組みを進めたい」と話す。
キッチンカーの出店スケジュールなどは市HPで確認できる。