相模線の横浜線乗り入れ(朝夕上下各6本)が、3月12日のダイヤ改正で廃止される。JR東日本によると、横浜線の利用者が年々増加しており、相模線の直通運転で横浜線の列車間隔が開いてしまうという。利用者の声なども考慮し廃止を決めた。
乗り入れは平成3年(1991年)にディーゼル車から電化した時から約30年続いてきた。茅ヶ崎発八王子行きは11日17時47分発が最後で、八王子発茅ヶ崎行きは19時18分発が最後となる。翌12日の始発からはワンマン運転もスタート。新車両は運転手1人での運行に対応しており、ドア横にはカメラなどが新設されている。
戦前もあった八王子行き
八王子駅乗り入れは相模線が国鉄ではなく「相模鉄道」だった時代にもあった。相模線が開通する前の大正6年時点で八王子市に延長する計画もあり、大正天皇陵参拝や高尾山登山の輸送ニーズも想定されたようだ。昭和に入ると茅ヶ崎海水浴場に相鉄が海の家を建設、「海の茅ヶ崎へ八王子から殺到」(横浜貿易新報)などの記録も残る。直通運転は昭和11年に1日6往復で実現。新しい「流線型デーゼルエンヂン付き」車両も導入し、八王子〜茅ヶ崎を約1時間で快走したという。その後について資料は確認できなかった。定期的な直通運転は戦時までに終わったようで、路線図や時刻表は橋本までの表記になった。