自動車の後部座席の乗降をサポートする簡易型補助具「乗り降りラクラクグリップ」を岡田電機工業(三春町2の32)とタクシー会社の芙蓉交通(内川1の7の65)が共同開発した。
高齢者の利用を想定したもので、姿勢を変えたり、足を上げたりする際に目線の位置にある縦向きのグリップを掴むことで楽に動ける。転倒を防ぐ役割も果たす。
近年、タクシーの後部座席にはテレビ画面のようなディスプレイが設置されており、「これを掴んで乗降する高齢者が少なくない」と芙蓉交通の八木達也社長。電機配線のトラブルにつながるケースもあり、プラスチック系自動車部品の製造を主業とする岡田電機の岡田英城社長に商品開発の相談を持ち掛けた。
すぐさま岡田社長は3Dプリンターを使用して4種類の試作品を製作。昨年末から約3週間、25台のタクシーに設置して、強度や使い勝手をテストしたところ、破損や怪我は皆無。利用者からも好反応を得られたことで商品化に踏み切ることを決めた。耐荷重の試験も125kgをクリアしているという。開発費用には、横須賀市の「ものづくり技術開発促進事業補助金」を活用した。
タクシーだけでなく、福祉車両や一般車にも簡単に装着できる。助手席のヘッドレストの支柱にグリップと一体成形されたホルダーを咬ませるだけ。車種によってヘッドレストの横幅が異なるが、パターンオーダーで対応していく。販売価格は5500円。問い合わせは岡田電機工業【電話】046・825・2288