「暑い夏 喉を潤す 生ビール」。最高の句です。ただ、気持ち良くなってしまって、いつも飲み過ぎてしまう“のんべえ”の記者。軽い頭痛とともに朝を迎える日々に「これじゃ体に悪いよな。今のところ健康診断の判定はオールAだけど、いずれ尿酸値が高くなったり、痛風になったりするかも」と罪悪感を抱いていました。コンビニに足を運ぶと、「プリン体ゼロ」を謳う飲料も最近よく目にします。
- そんな中、生ビールと正しく付き合う「生3杯の会」なるグループが存在するという、まことしやかな噂が耳に入ってきました。
今宵、メンバーが三浦海岸のお店に集まっているという情報をキャッチ。すぐさま電車で現地に向かいました。
たくさんの居酒屋がひしめき合う駅前。夕闇が空をぼかし始める頃、赤ちょうちんが灯り出しました。なんだか風情を感じます。
メンバーとの接触に成功
メンバーたちは「いろは寿し」に集結していました。写真左から二塚雅則さん(会長)、後藤敦子さん(キャンペーンガール)、長島満理子さん(幹事長)、齋藤昭男さん(副会長)。三浦青年会議所(JC)や三浦商工会議所青年部(YEG)などの繋がりで出会った4人。それぞれ働く業界は違えど、「生ビールを愛する想いは1つ」を合言葉に、15年ほど前にグループを結成したそうです。「生3杯の会」の道先案内人・二塚会長にグループの掟を聞いてみると…
- 「生ビールは3杯まで」
- 「一気はNG」
- 「4杯目から違うお酒を飲む」
とてもシンプルなルールです。
いざ乾杯!!
「はい、お待ち」。並々と注がれたビールを見るなり、みんなで「カンパーイ」。ぐいと喉に送り込むと、麦のコクとホップの苦味がたまらない。新鮮な鮪もパクリ。ビバ生!ビバ鮪!口の中で2つの味を和合させていると、終始顔がにやけていることに気づきました。こうなったら止まりません。あっという間に1杯目を空けてしまった記者。でも、周りを見渡すと、ゆっくりと1杯目を楽しむ姿が…。
1時間ほど経過。いよいよ最後の3杯目に手を掛けた二塚会長。生ビール愛が強すぎて、思わず寄り目になっています。
ようやく全員3杯目が終了。記者はもう少しおかわりしたかったのですが、ここはグッと我慢。各々、焼酎などのグラスを手に取り、静かに口へと運んでいました。
80歳になっても堂々と「生」を
「お腹も出ずに健康でいられる」「飲み過ぎないから生きてこられた」。独自の哲学を提唱するメンバーたちは、次々と会への感謝の言葉を口にします。二塚会長は「80歳になってもカッコよく、堂々と生ビールを飲むことが目標。好きな生ビールで体を傷つけるようなマネはしたくない。『そんなこと言いながら、4杯目いくんじゃないの?』とメンバー同士でチェックもしない。大切なのは自分の心に誓うこと」とにこやかに答えました。
- その熱き想いに賛同し、記者も思わず入会を申し出ると、店内は拍手で沸きました。
明日の生ビールのために
お互いの健闘を称え、「スリーピース」を高く掲げて、お店を出たメンバーたち。「10年後にまた一緒に飲んだ時、1杯目に生ビールじゃなくてハイボールとかだったら責任感じちゃうよ。明日の生ビールのためにお酒はほどほどに…」。二塚会長はそう呟いて、一行はそれぞれ喧騒の中に散らばっていきました。
おわりに
駅のホームはちょっとひんやり。口に残るビールの余韻に浸りながら、赤い電車によって巻き起こった風に心地良さを感じました。
生ビールにプリン体が多く含まれていることは確かです。しかし、生ビールばかりが悪いわけではありません。アルコールを摂取しすぎると、病気のリスクは高くなります。「生3杯の会」メンバーの飲み方には、大人のたしなみを感じました。「自分の体は自分で守らなければならない」という教訓を得ました。これから更に気温もグングン上がり、冷たいお酒が美味しい季節になりますが、少しでも皆さんのような大人に近づけるように、居酒屋に長居したりせず、切り上げどころを見極めたいと思います。