「水源地にある会社として貢献できることを」という思いで開発した同社の『津久井おが子』。これは、津久井の山間地で水源森林保全のために行われる間伐の際に出る「おが屑」を商品化したもの。水と油の吸着力に着目し、建築現場でのほこりとり、工場などでの油やインクの吸着材、水分の吸収材など、地域ブランドとして浸透しはじめている。さらに、現在は津久井おが子の売り上げの一部を、水源森林保全のために寄付することで「リサイクルのサイクルができている」と網野通社長は話す。
誰でもできる
同社は相模原市のSDGsパートナーに登録するほか、神奈川県の「かながわSDGsパートナー」制度に市内で唯一、第一期に登録されるなど、積極的に環境保全やリサイクルに取り組んでいる。網野社長は「私たちは地球に住む以上、この地球をきれいに、良い環境のまま使わないといけない」と使命感を口にする。そして、めざすのは『ローカルSDGs』と続ける。「SDGsは大企業だけでなく地域や個人をはじめ、誰でも取り組むことができるもの。持続可能な地域の実現のためにも、自分たちができることに取り組めば、地域はもっと良くなっていく。一つの事業者でもしっかり取り組めるというのを見せていきたい」と思いを話す。世界で取り組みが進むSDGsを地域から―。そんな強い思いの先には、持続可能な社会が待っている。