観光庁が地域の観光商品の創出・販路開拓を支援する「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」に先ごろ、三浦市観光協会が実施する「地域密着型サイクル周遊ツアー造成事業」が採択された。地元の大学やキャンプ場などと連携。「三浦野菜」を活用し、市ならではのアウトドア体験開発や無人販売所などの立ち寄り所・レンタサイクルの改良整備を行い、周遊ツアー化を目指す。
地域経済を支える観光の本格的な復興に向けて実施する観光庁の事業。自然や食、歴史・文化・芸術、地場産業、交通など地域資源を生かした〝稼げる看板商品〟創出のため、コンテンツ造成から販路開拓まで一貫して支援する。
コンテンツは3つ
市観光協会が計画するコンテンツは3つ。
①「海を臨む絶景キャンプ場で色とりどりの三浦野菜を活用した『イタリアンキャンプ飯』調理体験」。神奈川県の「三浦半島はイタリア半島プロジェクト」にちなみ、三浦野菜を使った「おしゃれでカラフルなイタリアンキャンプ飯」を開発。キャンプ場で、地元住民からレクチャーを受け、交流を楽しみながら調理を体験する。
②「世界に一つ!広大な畑の景観をバックに、アートな無人野菜直売所の設置・販売」。地元の学生や農家と協業し、一般的に簡素なイメージのある野菜直売所を「パッと目を惹く新スポット」として造成・設置する。
③「レンタサイクルでピクニック!地元大学生と連携した『チャリピク』ツアー」。若者目線で市内レンタサイクルのデザイン改良や自転車で巡るピクニック「チャリピク」など、SNS〝映え〟を意識した観光化を行う。
ターゲットは20代前後の友人同士やカップル、訪日経験のある外国人などを想定。「脱・日帰りマグロ旅」を掲げ、三浦野菜を観て・作って・食べることで、滞在時間延長や回遊性向上、観光消費拡大などに繋げたい考えだ。
関東学院大とコラボ
事業連携先である関東学院大学人間共生学部の学生らは早速、城ヶ島で合宿した。木製のかごなどを装着した自転車に乗って、小網代の森や黒崎の鼻、油壷温泉など市内を巡り、海辺でシャボン玉を飛ばす様子を写真に収めたり、ムードある飲食店で食事したりしたことを発表。「日焼け止めや着替えが必要」「この道は自転車がガタつくので危険」など、互いに課題も出し合った。同大の日髙仁准教授は「先入観に囚われず、ネットに載っていない斬新なアイデアで、のんびりと静かに過ごすツアーの事業化に漕ぎつけたい」と期待を込める。
今秋、市内に自転車を並べモニターツアーを実施予定。