三浦市社会福祉協議会は7月1日、加齢による心身の衰えを見るフレイル(虚弱)チェックができる多機能型施設「フレイルサポートセンター」(上宮田1489の3)を新たに開設した。全国でも稀な拠点で、小規模リハビリデイサービスのほか、未病サロンや生活相談などに対応。カフェも併設し、地域住民が誰でも気軽に立ち寄れる居場所づくりを目指す。
施設の所長を務めるのは、理学療法士の成田慎一さん。企業や団体などが組織内に「CHO(Chihief Health Officer=健康管理最高責任者)」と呼ばれる職を設け、従業員やその家族の健康増進を企業の経営責任としてマネジメントする仕組みで、県が掲げる「CHO構想」を推進し、介護予防や共生社会づくりに従事してきた経験を活かす。
全国89自治体でしか実施されていないフレイルチェック。市内では、成田さんらが各区会館などを訪問し、月2~3回のペースで行ってきた。昨年度は25カ所、約300人が受け、県内トップの実績を誇る取組は全国からも注目を浴びている。
コロナ禍に迅速対応
施設開所の背景には、長引くコロナ禍が影響している。成田さんによれば「フレイルチェックの結果や介護保険認定者数の増加などを見れば、高齢者のフレイル予防において重要な『運動・栄養・社会参加』は外出自粛によって市内でも減っていることが分かる。それらに速やかに対応するべく施設を立ち上げることにした」という。
体操やストレッチといったリハビリに特化したデイサービスは8人以下の小人数制。体組成計などを用意し、看護師や介護士らが健康管理・生活相談に乗る。デイ以外には、ワンコインで軽食を提供するカフェも併設。今後は子ども食堂や学習支援の場といった多世代交流拠点としての機能も視野に入れている。
開所式に訪れた吉田英男市長は「誰もが安心して暮らせる三浦になるため、皆一致団結していきたい」と期待を寄せた。
詳細は同センター046・876・8655