町内会・自治会や市民団体、NPO法人など市内で地域活動を行う団体が抱える課題を、ボランティアで解決する取り組み「川崎プロボノ部」。現在、2022年度の支援対象団体と、ボランティアとして活動するプロボノワーカーを募集している。
2018年に本格始動
「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語に由来。川崎プロボノ部は市の事業として、2018年に本格始動した。各団体の「広報用のWebサイトを作成したい」「事務作業を分担したい」といった困りごとを解決するため、プロボノワーカーが経験やスキルを活用。3カ月以内で成果物の無償提供などを行う。2021年度までに44団体を支援し、175人がプロボノワーカーとして参加した。
区民の活用例も
栗木在住の中澤篤志さん(50)は、「子どもが成長し手が離れたので地域にも目を向けてみよう」と、2021年初めてプロボノワーカーになった。担当したのは川崎区の町内会のSNS活用。システムエンジニアやWebサイト制作のメンバーを含む5人チームで、ページ開設からマニュアル作成、今後を見据えた町内会活動の見直し提案までを行った。
国家公務員の中澤さんは「際立ったスキルはないと思っていたが、チームと町内会の橋渡し役として役に立てた。異業種との出会いも勉強になった」と振り返る。
市民団体「リンクママ」は2021年プロボノ部の支援を受けた。同団体は麻生区内で2カ所の地域子育て支援センターを運営。運営方法の整理として、スタッフ間のオンライン会議の改善や、掃除や危機管理に関するマニュアルの提供を受けた。永井和美代表(47)=栗平在住=は「第三者の視点で見てもらったことで、業務の改善だけでなく、私自身も頭の中が整理された」と語る。
事務局の一人、吉田純一郎さん(64)=はるひ野在住=は「スキルを提供することで誰かに喜んでもらえる。お金に代えられない価値がある」と話す。支援団体、プロボノワーカーの説明会を8月にオンライン開催。詳細は事務局【電話】044・873・4586、HP。