逗子市身体障害者福祉協会(秋元厚子会長)が創立70周年を迎えた。これまでの活動を振り返る記念誌を発行するほか、10月26日(水)には「感謝の集い」と題した記念式典を開催する。記念誌の表紙に掲げた言葉は「他者すべて我が師なりけり」。会の歩みは「終わりのない闘い」であり、同時に「実現し得る大いなる希望」であり、共生社会の実現が叫ばれる現在の羅針盤となる。
同会は1952年に発足。役員が市の障害者福祉に関する会合に出席して行政や社会に福祉の充実を訴えてきたほか、バリアフリー旅行、短歌や俳句の会、料理教室など様々なサークル活動も展開してきた。
1987年には福祉の店「青い鳥」が第一運動公園にオープン。メンバーが店に立ち、売り上げの一部を収入とすることで「受け身の福祉」から「自立した社会貢献型福祉」に大きく転換。閉設するまでの33年間、市民の憩いの場として親しまれた。
沢山の思い出
「大変なことも多かったが、楽しい思い出がたくさんある」。相談役を務め、自身は聴覚に障害のある大石忠さん(87)は目を細める。
記念誌には当時、日中友好協会の会長で市内在住だった根本安雄さんからの寄付で各地へ旅行した際の写真や、会員それぞれが思い出を記したページを設けた。主な行事年表や歴代の会長らも記した。
かつて150人いた会員は、現在55人。高齢化が進んでいるのは全国共通の課題だ。同会も存続が危ぶまれる時期が2015年頃から続いていたが「70周年までは何とか頑張ろう」と奮起し、今日までこぎつけた。大石さんは「今の若い人たちは協会に属さずとも、社会で活躍している。これは先人たちが道筋をつけてくれたからで誇るべきこと」と話していた。記念誌は市福祉会館で読むことができる。