この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです
転んだりぶつかったりして、歯に強い力(衝撃)が加わると欠ける、折れる、ぐらぐらする、歯が抜ける、歯ぐきにめり込む、変色するなどの症状が出てきます。これらの治療は症状によって変わります。
歯の外傷の中で一番急いで歯科医院に行かなければならないのは衝撃で歯が抜けてしまった時です。脱落してもすぐに治療をすれば歯を助けることができます。重要なのは抜けた歯をゴシゴシ洗わないこと、乾燥させないことです。軽く水洗いし、牛乳もしくは口の中や抜けた部位に戻すなどして保湿した状態で歯科医院を受診してください。歯が折れてしまった場合も折れた破片を捨てないでください。抜けた時と同様に破片が保湿された状態であればうまく張りつけることができることもあります。また、こうした症状があっても、頭を強く打ってしまった場合には歯科よりも先に脳神経外科などを受診しましょう。
毎年この時期は、年末年始の酩酊や、道路の凍結などで予期しない歯の外傷を負った患者さまが増えてきます。治療を急ぐ必要がないケースもありますので、まずはかかりつけの歯科医院に連絡しましょう。歯だけでなく唇や口周辺に怪我をした場合などは、口腔外科が専門領域ですので「歯や口を怪我してしまったがどこに相談すればいいかわからない」などお困りの場合はかかりつけの口腔外科にご相談ください。