さまざまな業種の個人店主らが専門的な知識や情報、趣味の楽しみ方などを無料で提供する少人数制ゼミ「まちゼミ」が来月から、多摩市内でも開かれる。全国400以上の地域で開催されているもので、受講者は知識や技術が身につき、「先生」となる店主らは自身の店舗などを知ってもらう機会となる取り組み。地域活性に期待が寄せられる。
市内の個人事業主らで構成される団体「多摩コミュニティビジネス研究会」が主催する。「多摩市まちゼミ」と名づけられ、宿題の時に子どもを怒らなくて済む方法を学習塾講師が伝授したり、飲食店での女将さんごっこ、歯科医によるダイエット方法の指導など、ユニークな全51講座がそろった。今月から参加者の募集が開始され、ゼミは2023年の1月15日(日)から2月19日(日)まで開かれる(一部講座には材料費が必要な場合あり)。
同研究会の高橋賢代表は「各地で地域を活性化させてきた実績があることから企画した。小規模店舗を元気にさせたいと考えている」と力を込める。
「効果期待」
得する街のゼミナール略して「まちゼミ」は小規模店舗の活性化策として全国に広がる。大型チェーンや百貨店が次々に撤退し、比例するように売上低迷に苦しんでいた愛知県岡崎市の商店街の店主らが「街に賑わいを取り戻したい」と2003年に企画したのが始まりで、現在は全国400以上の地域で経済活性化策として開かれるようになっている。
13年からまちゼミを開催する八王子市の取り組みに参加する自動車販売会社の担当者は「店を知ってもらう機会になっている。多くのつながりが生まれた」とその効果を語り笑顔。多摩市まちゼミの参加説明会に講師として顔を出した「まちゼミ」を広める「岡崎まちゼミの会」の松井洋一郎代表は「説明会には意欲的な事業者が多く参加してくれた。市民に喜んでいただく一方で、ゼミを開く事業者同士の連携やつながりが進むことにも期待したい。熱意のある多摩では高い成果が得られると思う」と期待を寄せる。
高橋代表は「年に1度のペースで開催していきたい。多くの方に参加してもらえれば」と話している。「まちゼミ」への申し込み方法や参加店舗などについては専用のHPなどで。問い合わせは同研究会【メール】cbtama.net@gmail.comまで。