形が悪い、傷があるなどの理由で流通できずに廃棄されてしまう「未利用野菜」を乾燥させ、新たに商品として生まれ変わらせる、食品ロス削減の取り組みを進める企業が西区にある。北幸のシェアオフィスを拠点とする合同会社グロバース。同社の長谷川哲雄代表(54)らが、横浜の農家や福祉事業所、学生と連携し、乾燥野菜「YOKOHAMA Dry」の製造・販売を始めた。
農福・産学連携で
浜農家ヒラモトのDry浜なし、井上農園のネギと海苔の和風パスタ、横浜新鮮野菜土志田のトマト煮込みの素―。商品名には生産者の名前を掲示、岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校=港北区=の生徒がデザインしたパッケージには、野菜の乾燥や袋詰め作業を行った福祉事業所の名前も記載されている。
同商品は、横浜市内の農家の未利用野菜を活用し、横浜を拠点に活動する干し野菜研究家の澤井香予さん(Office k代表)が商品開発。乾燥や殺菌、袋詰めなどの加工は、市内の福祉事業所で行い、出来上がった商品は農家が直売所やマルシェなどで販売する仕組み。10月には中区のSDGsマルシェなどでテスト販売を実施。現在は市内の3農家と3つの福祉事業所と連携し取組を進めている。
「地域内で連携し、食品が循環するネットワークが、ロス削減につながる」と長谷川代表。昨年、個人で営む飲食店のIT化を支援するため脱サラし同社を起業。飲食店や食品業界の様々な人と交流を持つ中、食品ロスの課題を実感し、同事業を始めた。
12月17日から東名高速道路の港北PA上りの売店「港北ブラン」で販売を始める。長谷川さんは「商品をより多くの人に知ってもらい、食品ロス問題に興味を持ってもらえれば」と思いを込めた。問い合わせは【メール】info@growbirth.com。