小田原市蓮正寺在住の最勝寺朋子さん(33)が作・絵を手掛けた絵本『しらすどん』(岩崎書店)がこのほど、第14回ようちえん絵本大賞で、全体の中で最高賞にあたる理事長賞に選ばれた。
同賞は、(一財)全日本私立幼稚園幼児教育研究機構が、過去おおむね8年以内に出版された絵本を対象に選考。理事長賞1冊を含む14冊が受賞した。『しらすどん』での絵本作家デビューから約1年半。今回の賞を受け、「自分の本棚にある尊敬する人の作品も選ばれていて、そこに並べたことがうれしい」と喜びを語った。同作品は食品ロスなどの社会問題を描きながらも子どもが楽しんで読める内容で、最勝寺さんは「大人になってから絵本に込めたメッセージに気付いてくれたら」と話した。
生き物に興味持って
同作品の製作にあたり最勝寺さんは、漁師に同行してシラス漁を体験。ダイビングのライセンスを取得して海にも潜った。食料品店などに行けば、魚や肉を自分の手で殺めずに食べられる現代だが、「子どもたちには人間以外の生き物の恵みで生かされていることを実感してほしい。絵本がそのきっかけになれば」と同作品に込めた思いを話す。
現在、犬をテーマにした次回作を構想中。「一作目は社会に言いたいことが止められなかったが、『しらすどん』を作りながら分かったのは楽しんでもらえることが一番ということ。まずは、生き物に興味を持ってもらえることを大切にしたい」と反省と次作への意気込みを語った。