この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです
前回まで嚢胞について連載しましたが、今回は「腫瘍」というところまで深く掘り下げたお話です。
俗にいう口腔の「デキモノ」を教科書的に大きく分けると「嚢胞」と「腫瘍」というものに分類されます。そして腫瘍はさらに「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」に分けられています。厄介度が低いものから「嚢胞」→「良性腫瘍」→「悪性腫瘍」と出世魚のように呼び名が変わるものだと考えていただければ、簡単かもしれません。
嚢胞と腫瘍の違いは「再発するかどうか?」ということです。嚢胞は原因となる歯などの治療を行えば基本的に再発しませんが、腫瘍は切除しても再発することがあります。
また、良性腫瘍と悪性腫瘍は何が違うのかというと、他の臓器へ「転移」するかどうかということが大きな差です。この連載でもお馴染みの「口腔癌」は悪性腫瘍の中の一つですので再発と転移をするということになります。文章にすると大変難しい話しですが、図にするといたって簡単になります。
口腔外科では”デキモノ”が「嚢胞、良性腫瘍、悪性腫瘍のどれだったのか?」ということで治療方針が決まります。
まだまだ細かいことはたくさんありますが、今回は大学の講義のような堅いお話になってしまいましたので、心配事や、わからないことなどがあればお気軽に受診してください。