平塚市千石河岸の平塚茅ヶ崎魚市場(宇田川哲由代表取締役社長)が、昨年12月から新事業として移動販売を開始した。開始から約半年、地域の反応と手応えを取材した。
近年、大手スーパーの台頭や個人経営の鮮魚店の廃業を受け、魚市場の取扱量は減少を続けていた。移動販売車「I♥FISH号」は市内外の飲食店や個人宅の駐車場などの敷地を借りて出店。朝どれの魚や加工食品、季節に合わせた海鮮丼などの海鮮料理を、一人暮らしの高齢者や子育て世代など、車で買い物に出られない消費者の庭先まで届ける。
5月12日には、餃子酒房花宴(菫平)の駐車場に出店。子ども連れで訪れた磯崎珠美さん(46)は「子どもが小さいと出歩くのが大変。近くにスーパーもあるが新鮮で安い魚が買えるのはありがたい」と話した。
販売員の下村めぐみさん(41)は「一人暮らしのおばあちゃんが本当に喜んでくれる。地元の美味しい魚を届けたいのはもちろん、地域の人たちと会いに行くのが楽しい」とやりがいを話す。