【コンテンツ】
◎「まちぐるみで治安守る」保土ケ谷警察署 佐々木卓栄署長に聞く
◎「人の目」増やし散歩で防犯
◎児童の安全を見守る
◎譲り合う気持ち大事に
◎地域防犯の橋渡し役
◎自転車事故防止へ一手
「まちぐるみで治安守る」保土ケ谷警察署 佐々木卓栄署長に聞く

安心安全なまちづくりに向け、熱い思いを語る佐々木署長
オレオレ詐欺などの特殊詐欺のほか交通事故が全国各地で発生し、多くの人が悲しんでいる。本紙では、保土ケ谷警察署の佐々木卓栄署長にインタビューを行い、人口約20万人が暮らす保土ケ谷区での犯罪や交通事故の発生状況などについて聞いた。また、安全で安心なまちづくりを推進する上で、関係機関や住民との連携について迫った。
区内での特殊詐欺の発生状況と手口の傾向は。
「特殊詐欺の認知件数については、今年8月末時点で40件、被害額は約3億2300万円にものぼっています。また、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺は20件発生しており、特殊詐欺と同じくらいの被害額を認知しています。被害の認知件数は、昨年同時期と比べて、件数・被害額ともに大幅に増加しており、警察署としても危機感を持って対応にあたっています。なお、これらの数字は暫定値となります。
主な傾向としては、偽の警察官が被害者に向けて『捜査の対象者として逮捕する』などと言って不安にさせ、お金を騙し取る手口が増えています。具体的に説明すると、偽の警察官が被害者をSNSのビデオ通話に誘導し、そこで偽の逮捕状を示して不安をあおるというものです。この手口については高齢者だけでなく、若者の被害も確認しています」
詐欺被害に遭わないためには。
「まず、警察が皆さんにSNSで連絡することはありません。また、逮捕する時に事前に通知することもありません。逮捕状を示すのは、逮捕の場所で犯人の面前で示す時だけになります。
SNSを通じて被害者を騙す手口への対応策として、会ったことがなく、SNSで知り合った人に大事なお金を渡したり預けたりすることがないようにしていただきたいと思います。また、少しでも不安があれば、警察や家族などに相談してほしいです。自分一人で解決しようとしないで、まずは誰かに相談することが大切です」
詐欺防止アプリを
保土ケ谷警察署では詐欺撲滅に向けて、どのような取り組みを進めていますか。
「今年の特殊詐欺の件数は増加傾向ですが、金融機関やコンビニエンスストア、地域住民の皆さまのご協力により、特殊詐欺を未然に防いだ事案も多く報告されています。これは警察だけでなく、まちぐるみで特殊詐欺を撲滅しようとする意識の高まりの結果だと思っています。
最近は騙しの電話に国際電話が使用されているので、国際電話を受け付けない対策を講じることが重要です。保土ケ谷警察署ではあらゆる機会を通じ、国際電話や詐欺電話をブロックする警察庁推奨の詐欺防止アプリをダウンロードするようにお願いしています。
さらに、日本各地で災害が多く発生していますが、その被災に乗じて義援金などを名目にお金を騙し取る詐欺の発生も今後は予想されます。とにかく、電話やSNSでお金の話になったら、1回立ち止まって家族や信頼できる人に相談してほしいと思います。相談先は警察でも構いません。どんなことでもいいので、電話でのお金の話は相談するというのが一番だと考えています」
「ながらスマホ」に注意
区内での交通事故の発生状況は。
「県下の平均に比べ、人身事故の発生件数の割合は二輪車(オートバイ)が多い一方で、自転車が少ないという傾向にあります。これは保土ケ谷区に山坂が多く、動力のある二輪車の方が人力の自転車よりも多く利用されているということだと思います」
自転車に対する交通反則通告制度(青切符)の導入など、交通ルールの変化に影響は。
「自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入については、ルールが変わったとか厳しい取り締まりをするという趣旨ではありません。従来、自転車の違反は赤切符で処理して裁判の上で罰金を徴収していましたが、青切符で告知して反則金を納付することで完結するという手続きに変わったものです。保土ケ谷警察署では街頭での指導を継続するとともに、各種キャンペーンを通じて交通ルールを周知していきたいと考えています」
交通事故を未然に防ぐためには。
「保土ケ谷区は、幹線道路として交通量の多い国道1号、国道16号、環状2号が通っており、ここ2年間の死亡事故の8割は国道上で発生しています。ドライバーの皆さんは特に交差点を右左折する際には、歩行者や対向車の有無をよく確認してください。自転車を運転する時も、右側通行や赤信号無視などをしないようルールを守ってください。歩行者の方は『ながらスマホ』を控え、反射材付きのものを身に着けるなど、夜間にドライバーから発見されやすいようにしていただきたいと思います」
3Sモットーに
地域の安全安心を守るため、保土ケ谷警察署として掲げている理念などはありますか。
「署員へのモットーについては、3つの『S』として『スマイル(Smile)』『スピード(Speed)』『セーブ(Save)』を掲げています。明るい職場づくりを行い、仕事は基本的にスピード感を持って事件・事故に対応する。そして、基本を守って適正な業務を推進するという訓示をしています。私は、署内では署員によく声を掛け、挨拶や会話を通じて互いに笑顔が出るような職場づくりに努めています。相談がしやすい職場環境や人間関係を醸成するために取り組んでいます」
地域へのメッセージや今後の抱負をお願いします。
「保土ケ谷区の方々は非常に警察に対して協力的で、熱いものを持っておられます。いろいろな意見をいただけますので、それに応える活動をしていきたいと思っています。また、区役所や消防などの団体との連携も密にしております。引き続き、ご協力・ご支援をいただきたいです。
保土ケ谷警察署は、今年創設100周年を迎えました。次の100年に向けて『飛躍』というテーマで、より安全で安心な保土ケ谷区になるよう、署員一同、誠心誠意頑張っていきたいと思っています。飛躍には100(ヒャク)という数字と、署のマスコットキャラクター『ほどぴょん』が跳ねるという意味を込めています。
とにかく、特殊詐欺を撲滅しなければならないので、検挙と抑止の両面で全力をあげて取り組んでいきます。結果を出せるように頑張りたいと思います」

「人の目」増やし散歩で防犯
新桜ケ丘地区連合自治会 住民主体のパトロール
地域の防犯啓発や住民の交流促進を目的に新桜ケ丘地区連合自治会(中村好美会長)で昨年12月に始まった「わんわん&おさんぽパトロール」。プロジェクトメンバーの中村会長、山岸二佐江さん、長瀬美香さんに現在の状況を聞いた。

キーホルダーを手に、取り組みを紹介する(左から)長瀬さん、中村会長、山岸さん
「おさんぽパトロール」と書かれた専用の蛍光キーホルダーを身につけた住民が、愛犬の散歩や日々のウォーキングをしながら地域の見守りをするこの活動。犯罪抑止につながる「人の目」を地域に増やすことが目的だ。もともとは防災拠点でのペット同行避難の対策として、地域内のペット飼育状況を把握する調査からスタート。「ペットはいないが防犯に協力したい」という声があったことから、ウォーキングや買い物時にもできる取り組みへと広がった。
昨年末から登録を受け付け、1月の「新春地域交流のつどい」でもキーホルダーを配布。110個を配り切った。加えてネームカード型の簡易版も一部併用している。
自治会組織として行う防犯活動などと違い自主的なボランティア活動。「強制ではないので参加しやすい」と中村会長は話す。最近はペットの排泄物処理マナーを自主的に見守るグループが生まれるなど住民主体の好循環ができ、実際に公園などでふんを目にする数も減ってきているという。「キーホルダーが目立つのでつけている人を見ると『この街の人だ』と分かり、安心感がある」と山岸さん。「見守りの目が増えている」と手応えを感じている。キーホルダーを求める住民や、他自治会からの問い合わせも届いているという。
一方、「効果を高めるためにはまだ人数が少ない」と長瀬さん。「ペットのいない方も参加できることが十分に伝わっていない」と周知活動の必要性に言及する。キーホルダー製作費の工面も課題で、現在は欠品しているが登録自体は受け付けている。今後は自治会予算などをやりくりしながら追加購入し、登録者数を増やしていく考えだ。
児童の安全を見守る
初音丘学園・渡邉啓一理事長
「おはよう。いってらっしゃい」「ちゃんと横断歩道を渡ってね」「車が来ているよ。気を付けて」。
車道を歩く児童、横断歩道から離れて道路を渡る児童、横並で歩く児童らに注意を呼び掛けるのは、学校法人初音丘学園の渡邉啓一理事長。

周囲を見回し児童を誘導する渡邉理事長
渡邉理事長は、初音丘幼稚園に隣接する初音が丘小学校の児童が登校する午前7時45分ごろから8時20分ごろまで横断歩道に立って旗を振り、子どもたちの安全を見守る
活動を続けている。
朝のあいさつなど、ふれあいも大切にしながら、周囲を走る車やバイクからは目を離さない。「活動を続けていると、ひやっとする場面もある」。交通安全協会の交通安全指導員という顔も持つ渡邉理事長は「事故に巻き込まれないよう登下校時の道路の歩き方や横断歩道の渡り方、信号が青でも一度止まり、左右を確認してもう一度右を見て手を上げて渡るなど交通安全の基本的なことを話す機会をご家庭でも設けていただけたら」と話す。

譲り合う気持ち大事に
保土ケ谷交通安全協会 工藤圭亮会長

工藤圭亮会長
保土ケ谷交通安全協会は、交通事故の撲滅を目指し、啓発活動に取り組んでいる民間ボランティア団体だ。「警察のように、違反者を取り締まったり捕まえたりするのではなく、運転者や歩行者がお互いに配慮し合う意識を高めて地域で交通事故を1件でも減らすことが本来の目的」と工藤圭亮会長。「交通事故は、被害者も加害者も人生を変えてしまうから」と言葉に力を込める。
「保土ケ谷区は谷状の地形で山坂に富むため、一時停止で飛び出すなど二輪車の事故が多い」と地域の特徴に言及。また、狭い道での譲り合いの欠如などドライバーや歩行者の「気持ちのゆとり不足」が目立つと指摘する。「レースではないのだから、ゆとりを持って、譲り合うということを一人一人が意識してもらいたい」と願う。
警察と連携して年4回、街頭や商業施設で反射材などの啓発物を配り交通安全を呼び掛けるキャンペーンのほか、区内の小学校や特別支援学校へ出向く「はまっ子交通安全教室」、幼稚園・保育園への安全教室のサポート、新小学1年生へのランドセルカバーの寄贈など活動に労を惜しまない。「会員から家族、地域住民へと安全意識の輪は広がっていく。草の根運動だよ」と微笑む。共に活動する賛助会員は地域の企業・団体ら約130者。増員が喫緊の課題とし「多くの人が関わることで力になる。ぜひ活動に賛同していただきたい」と呼び掛ける。
地域防犯の橋渡し役
保土ケ谷防犯協会 堀功生会長

堀功生会長
区内の連合町内会長や防犯関連諸団体の代表者で構成される保土ケ谷防犯協会。年1回の「防犯のつどい」の開催や、功労者の表彰、各団体や自治会への啓発などを行うとともに、警察や消防、各種団体と地域住民、学校などをつなぐ橋渡し的な役割を担っている。
警察と同協会から委嘱を受けた防犯指導員は、協会所有の車両で日常的に「青パト」(青色防犯パトロール)を実施し、区域を巡回。不審な人物や車両に目を光らせ、時に声掛けなどをして犯罪を抑止する。「不審者が下見に来た時など、声をかけられたら『ここはまずいな』となる」と堀功生会長は狙いを語る。また、「交通事故防止と防犯、地域の方々に安心安全に暮らしてもらいたいという点では同じ」と、見回り活動の中で歩行者や自転車、危険な交差点などにも注意を払い、交通安全の視点も盛り込んでいきたい考えだ。
横行する特殊詐欺への対策として堀会長は「留守番電話や録音機能の活用、国外からの着信をブロックする設定などを心掛けてほしい」と啓発。加えて、「インターホンが鳴ってもすぐにドアを開けないとか、チェーンをかけるとか、日々の暮らしのちょっとした動作で、犯罪を防ぐことができる」と呼び掛ける。
青パトの運転手や役員の高齢化が進む中、若い世代の参加・参画が今後の課題。「若い人たちには地域のいろいろな組織に入って活躍してもらいたい」と期待を込める。

自転車事故防止へ一手
保土ケ谷区交通安全協会など 9月24日、イオンで催し

活動に取り組む関係者=今年7月
保土ケ谷交通安全協会などが9月24日(木)午後2時から、イオン天王町ショッピングセンターの1階エレベーター付近で自転車交通安全教室を開催する。参加費無料。
同教室では、モニターで実際の交通状況を再現し、自転車運転時に起こりうる危険を疑似体験する装置を活用。一時停止や安全確認の大切さをゲーム感覚で分かりやすく学ぶ。
同日午後4時からは、同ショッピングセンターの南東側入口(天王町商店街側)付近で交通事故防止キャンペーンを実施する。交通団体の関係者や警察官が買い物客に啓発物を配布し、交通ルールの遵守を呼び掛ける。
内閣府が交通安全への意識を高めるために定めた「交通事故死ゼロを目指す日」の9月30日㈬には、交通事故死ゼロを目指すキャンペーンを保土ケ谷警察署前で開催する。午前7時45分から。のぼり旗やハンドフラッグを使い、二輪車を中心とした運転者に安全運転を呼び掛ける。
各イベントに関する問い合わせは同協会【電話】045・331・3819。
この企画は、安全・安心に暮らせる保土ケ谷区の実現に向けて取り組む法人や団体の支援・協力により実施しています。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |























