秋の全国交通安全運動期間(9月21日~30日)をきっかけに、交通安全や防犯に対する意識を高めたいところ。協賛各社等の協力を得て、啓発に貢献する地元住民による取り組みのほか、交通事故や特殊詐欺被害に遭わないためのポイントなどを紹介する。
【コンテンツ】
◎保土ケ谷 警察署管内 二輪車事故が全体の4割
◎「自動車盗に注意を」
◎事故撲滅へ、地道に活動 保土ケ谷交通安全協会
◎地域防犯力向上に
◎隣接小児童の登校見守り
◎隣近所の絆で守る保土ケ谷のまち
保土ケ谷 警察署管内 二輪車事故が全体の4割
「心・時間にゆとりを持って」
保土ケ谷警察署管内で2025年1月から8月末までに発生した交通事故は237件。昨年同期比で17件減少したものの、昨年は年末にかけて事故件数が増加したこともあり、今一度気を引き締めたい。特に二輪車が関係する交通事故が最も多く、全体の約38%を占める。区内では国道1号線や環状2号線などの幹線道路を抱え、山坂が多い特性もありバイクを移動手段とする人が多い。そのため、二輪車事故の増加が長年の課題だという。
同署の佐藤哲也交通課長は「車両同士の追突、交差点での右折×直進の事故、歩行者横断中の事故などが多く発生している。無理なすり抜けや速度の出し過ぎが事故の原因になる。ゆとりある運転をしていただきたい」と警鐘を鳴らす。
二輪車事故を減らすための心構えとして佐藤課長は「青信号で交差点を通過する際の対向車やスピードの出し過ぎには注意が必要で、心と時間にゆとりを持った運転が大切。また、ヘルメットはあごひもを確実に締め、プロテクターとエアバック付きジャケットを着用することで、事故に遭った際に体へのダメージを軽減できる」と述べる。また、朝夕の運転で日差しがまぶしく信号が見えにくい場合はサンバイザーやサングラスの使用が効果的だという。
「自動車盗に注意を」
人気車種も標的に
神奈川県警は、県内で今年7月末時点で発生した自動車盗が489件で昨年同期と比べて218件増えたことをこのほど発表した。保土ケ谷区内では15件発生し、保土ケ谷警察署は区民に警戒するよう呼び掛けている。同署によると、盗難被害に遭いやすい車種は、アルファード、ランドクルーザー、クラウン、ハイエース、プリウスなど海外で人気が高いもの。長時間、車を離れたところを狙われることが多いといい、注意が必要だ。
防犯対策万全に
主に挙げられる防犯対策は、防犯カメラの設置や人通りの多い場所に車を停めるなどの「見える対策」。警報装置を設置するなどの「音が鳴る」防犯対策をするとともにハンドルロックやタイヤロック、GPS機能付き位置探査装置の取り付けなどを組み合わせ、物理的に盗難が困難になるような整備も効果的だ。ディーラーに防犯機能の追加を相談することも有効な手段だといい、同署は啓発に努める。
事故撲滅へ、地道に活動 保土ケ谷交通安全協会

キャンペーンに参加した会員たち(5月20日撮影)
保土ケ谷交通安全協会(板橋悟会長)は、住民を交通事故から守る活動に取り組んでいる。
同協会は1958年8月に設立した民間のボランティア団体。現在は129者が賛助会員となっている。保土ケ谷警察署などと連携し、季節ごとの交通事故防止運動の期間に合わせたキャンペーンなどで歩行者や運転者に正しい交通ルールを呼び掛ける。
保土ケ谷区内の小学校にランドセルカバーを寄贈する取り組みも恒例にしている。人通りが多く多世代とコミュニケーションを取るのに適した場所での活動を展開。イオン天王町ショッピングセンターなどの商業施設で啓発に努める。同店で今年7月に実施した交通事故防止キャンペーンでは、神奈川トヨタ自動車株式会社らと連携し、イベントブースを設置。子ども向けの交通安全クイズのほか、3種類の穴にどれだけ多くのボルトとナットを締められるかを競い合うゲームなどが行われ、家族連れでにぎわった。
賛助会員を募集
同会は賛助会員を募っている。これまで、賛助会員による会費や運転免許証の更新に必要な収入証紙の販売などで運営費を賄ってきた。しかし、会員の減少に加え、県内の各警察署で今年3月から導入された免許更新手数料のキャッシュレス化により財源確保が難航。活動に支障が出ている。
板橋会長は「運転者と歩行者の双方に対し、粘り強い交通安全教育や地道な交通安全運動など、命を守る大事な活動を行うためには資金が必要。当協会運営に賛同および応援いただくとともに、賛助会員加入をご検討いただければ幸いです」と協力を呼び掛ける。

活動の機運醸成を図る板橋会長
賛助会員の会費は年間1万円から。会費は交通安全運動などの活動費用に充てられる。入会に関する問い合わせは保土ケ谷交通安全協会【電話】045・331・3819(八木千尋事務長)へ。
地域防犯力向上に
10 月8日、公会堂で催し
住民の防犯意識の向上を目的としたイベント「防犯のつどい」が10月8日(水)に保土ケ谷公会堂で行われる。保土ケ谷防犯協会、保土ケ谷警察署、保土ケ谷区役所による共同主催。
同イベントはオレオレ詐欺などの特殊詐欺や自転車盗といった、住民の生活を脅かす犯罪への注意を呼び掛けることを目的に毎年開催。お笑いライブなどを取り入れ、住民が気軽に防犯に関する知識を深められるように工夫を凝らす。昨年は神奈川県警察音楽隊によるコンサートが行われた。今年は、歌手の彩ショルさんが特殊詐欺防止を呼び掛ける防犯ソング「ダメ!ダメ!ソング」を歌うオープニングを皮切りにした2部構成。
1部は地域の防犯活動に貢献した個人や団体を称える「防犯功労者表彰」と、安心・安全に暮らせるまちづくりを五・七・五調で呼び掛ける「ほどがや防犯川柳コンクール」の表彰式を行う。2部は「チェロ・ピアノ二重奏」と題したミニコンサートを予定。間瀬利雄さんと新里恵美さんが「白鳥」「無言歌」「『さくらさくら』によるパラフレーズ」「子犬のワルツ(ピアノ独奏)」などの名曲を演奏する。

昨年の様子
午後3時30分から5時30分まで。開場は3時。入場無料。予約不要。「ほどぴーイラスト付き防犯ホイッスル」が来場者にプレゼントされる。問い合わせは保土ケ谷防犯協会【電話】045・337・5557へ。
隣接小児童の登校見守り
初音丘学園・渡邉啓一理事長
「おはよう。いってらっしゃい」「ちゃんと横断歩道を渡ってね」「車が来ているよ。気を付けて」。
車道を歩いている児童や横断歩道から離れた場所から道路を渡る児童、数人で横並びになって道路を歩く児童に注意を促すのは、学校法人初音丘学園の渡邉啓一理事長。渡邉理事長は、初音丘幼稚園に隣接する初音が丘小学校の児童が登校する午前7時45分ごろから8時30分ごろまで横断歩道に立ち、児童の安全を確保する活動を続けている=写真。
活動を続けていると、「『ひやっ』とする場面に出くわすこともある」という。交通安全協会の交通安全指導員という顔も持つ渡邉理事長は「交通事故に巻き込まれないよう、登下校時における道路の歩き方や横断歩道の渡り方、横断歩道では信号が青でも一度止まり、左右確認の後、もう一度右を見て手を挙げて渡ることなど、交通安全の基本的なことをお話しする機会をご家庭でも設けていただけたら」と話す。
隣近所の絆で守る保土ケ谷のまち
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