小田原市板橋の旧東海道沿いにある築約90年の洋風建築「朝倉邸」が、カフェとして生まれ変わる。9月22日(金)にオープンを予定している「薬膳喫茶KURA]だ。
市の資料によると朝倉邸は1932(昭和7)年ごろ、左官屋の棟梁が自宅として建てたとされる。2階にバルコニーが設けられ、内装も玄関や天井など各所に洋風の意匠が施されている。住宅として使用されていたが数年前に空き家になり、一時は取り壊しも検討されたという。
喫茶店を運営するのは、観光をベースに地域活性化などを手掛ける(株)エリアコンシェル(小田原市栄町)。昨年11月に地元不動産会社から朝倉邸を紹介され、開業に向けて外観や玄関、2階部分などは当時の趣を残しながら、1階の和室やキッチン、トイレなどを喫茶店用に改修した。
同社共同代表の前島真弓さんは、以前から松永記念館や内野邸などがあり「まち歩き」できるエリアとして板橋の魅力を感じていたという。またコロナ期間中に取得した薬膳の資格を生かし、店舗では発酵や薬膳をベースにしたメニューを用意。ランチメニューのひとつ「鶏肉と野菜のせいろ蒸し」は、小田原の干物を使ったバーニャカウダソースが味のポイントだという。薬膳クラフトコーラ「ゴジアイコーラ」も提供する。
もうひとりの共同代表・飯山淳二さんはマスターとして店舗を切り盛り。「板橋エリアは昔ながらの街並みが残っている。当店が、板橋地区の回遊性を高める拠点にもなれば」と笑顔で話した。
営業時間は午前8時から午後5時(ランチは11時から)。火曜日定休。