支援を求める18歳から概ね29歳までの若者の相談支援や居住支援を行う一般社団法人アマヤドリ(葉山町長柄/菊池操代表)が、9月から新たにアパート型ステップハウス「コモレビ」を開所した。性別を問わず、母子利用可とし、「漏れのない支援」を目指す。
菊池代表は家庭に居場所がなく、支援制度からこぼれ落ちている若者をサポートしようと、2020年12月にアマヤドリを設立した。
現行制度では、18歳以上は成人のために児童福祉法・児童虐待防止法などの支援制度の対象外で、児童相談所や児童養護施設を頼ることが出来ない。DVシェルターは配偶者からの暴力被害が対象で、親からの被害は不可の場合が多く、男性は対象外。生活保護は全日制高校や大学に通う学生は利用できないなど、18歳以上の若者は「支援の空白」に直面する。
同団体は居住支援として21年5月にサポート付きシェアハウス「アマヤドリ」を横須賀市内に開設。定員4人のシェアハウスで、これまでに12人が利用している。ここでの生活の間に家事などの生活支援、課題整理や目標設定、キャリア支援などを行い、自立に向けたサポートをする。一方で生活空間の問題から女性限定だったため、今年9月から性別を問わず利用できる「コモレビ」をオープンさせた。
また、相談同行支援として年間約50人の相談を受け、1年間の相談件数は延べ約1600件にのぼる。オンライン(Zoom)での対面相談を行う中で必要に応じ、医療機関、行政機関、不動産会社などへ同行し、相談や手続きサポートを行う。
菊池代表は「この2年間で、相談者が元気になっていく姿が見られた。相談内容がだんだんと『これからのこと』と前向きに変わっていき、本来の力が湧いてきている気がする」と活動に手応えを感じている。
CFに挑戦
アマヤドリは県の「居住支援団体」認定を受けてはいるが、補助金などなく、今後の活動資金の安定のために、11月からクラウドファンディングに挑戦するという。詳細は同団体ウェブサイトで確認。