京都―千葉間を歩いて巡行する修業「日本廻国」に挑戦している高徳院(千葉県南房総市)の住職星孝芳さん(45)が10月7日、旅路で箱根町の甘酒茶屋を訪れ、9日まで十一面観音像「千倉観音」の御開扉を行った。星住職が運ぶ観音像を載せた山車は重く「箱根のような難所は人がいないと乗り越えられない」。箱根関所から甘酒茶屋の約4Kmの道中は、観光客や地元事業者らの力を借りて約20人で引っ張り登った。
日本廻国は大厄災が起こった際、国民に未来に向けた願いを起こしてもらおうと観音像と共に全国を巡行する修業。星住職は20代のとき、自身の寺にもその記録がいくつも残っていることを知り「昔の人はすごいことをやっていた。自分もいつかやろう」と仏師に依頼し仏像を彫り、山車を実費で作るなどコツコツと準備を進めていた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け「本当の大厄災がきた」と天保の大飢饉以来、約200年ぶりの実行を決めたという。
11月5日頃に高徳院に到着予定で、一緒に山車を引く人を随時募集中。現在地や御開扉の予告などは、星住職のフェイスブックで発信している。(問)同院【電話】0470・43・1010