全80区画が用意された「たのわ図書館」
戸塚町の地域交流施設「ONE FOR ALL横浜」で、シェア型図書館が開始された。本棚の一区画に料金を支払い契約した人が、推薦本を自由に配架し貸出する仕組みで、読書をきっかけに人的交流を促すことが目的。
シェア型図書館とは、施設内にある本棚の一区画に料金を支払い「オーナー」になることで、貸し出したい本を自由に陳列し、オリジナルの書棚を作ることができるもの。近年、全国各地で広がりを見せている新たな取り組みだ。
同施設の「たのわ図書館」は全80区画が用意され、すでに7区画が利用されている。各棚にはオーナーの趣味嗜好やこだわりが反映されており、担当者は「読む本のジャンルや好きな本が似ている人同士がつながれる、オーナーさん登壇のイベント開催などもできれば」と展望を語る。
社会参画の第一歩に
これまで地域交流施設として、会議室の貸出やイベント実施、飲食提供などを行ってきた。しかし、単一的な利用にとどまってしまうという課題を解消するため、昨冬からシェア型図書館の導入を同施設では模索。体制を整えてきた。
地域住民の双方向的な交流を促すため、各本に感想カードを用意。オーナーの情報やメッセージを確認できるほか、借りた側も感想を記入できるなど、1冊の本を通じて相互につながることができる仕組みとした。
公開するオーナー情報はニックネームやイニシャルも可能なため、担当者は「地域に出ていきたいが、方法がわからないという方にとっても、挑戦しやすいのでは」と話す。
実際に利用するオーナーの1人は「他の人の棚を見ても、その人の個性が現れていて、非常におもしろい取り組みだと思う」と語った。
使い方
現在、通常3000円のオーナー料金が、月額2500円で利用できる(税込・初月は無料。予定数集まり次第終了)。さらに登録特典として、同施設の会議室Sが月に1度無料で利用可能。
借りる側は、同施設に会員登録することで、棚にある本を自由に借りたり、閲覧したりできる。登録料は税込500円。施設内での閲覧は手続き等不要。貸出不可の本を除き、上限5冊まで、最大2週間借りることができる。
「まずは話だけでも聞きたい、という方も歓迎です」と担当者。問い合わせは同施設【電話】045・871・7831(午前9時から午後4時半)。