この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです
今回は、高血圧症と歯科治療ということについてお話しいたします。血圧が高いと言われていたことがある方も多いのではないでしょうか。
上の血圧が140mmHg以上、あるいは下の血圧が90mmHg以上の場合に高血圧症と診断されます。主に、体質的な要因に生活習慣などの環境的な要因(塩分過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足など)が加わり発症する高血圧症と、腎臓疾患や内分泌の異常などが原因の高血圧症があります。
高血圧症の方は歯科医院での注射(麻酔)を使用する際に特に気をつけなければなりません。私たちが通常使用する麻酔薬には、血圧を上昇させるアドレナリンという血管収縮剤が含まれているため、予期せず血圧が上がることがあります。ただでさえ歯科治療は誰でも緊張するものです。疲労が溜まっている時、ストレス状態にある時はその旨をお伝えください。
血圧の薬を内服するタイミングにもよりますが、一般的には血圧は午後より午前中の方が安定しているといわれています。そのため歯科医院での治療を受ける時間については、午前中のほうが良いとされています。それでも血圧が高すぎる場合には無理せず治療を延期しましょう。
血圧が高い方は血圧をモニタリングしながら治療を行なうことも考慮しなければなりません。治療を受けるにあたり不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。