学術研究や自然教育に役立てて–。今から約70年前に捕獲されたナガスクジラのヒゲが、11月23日に横浜市在住の内田茂さんから観音崎自然博物館へ寄贈された。

　大洋漁業（現在のマルハニチロ）に勤務していた内田さんの父が、１９５１年に南氷洋捕鯨船団の技術者として南極付近まで航海した際に持ち帰ったものだという。

　「大型のヒゲで、今では手に入りにくい貴重な資料」と同館学芸部長の山田和彦さんは申し出を歓迎。ほかにも、大洋漁業が三浦市三崎に営業所を構えていた当時の三崎港の周辺写真も併せて手渡された。

　また、こうした寄贈について「物にもよるが、学術的価値の高い資料や標本を収集しており、寄贈を検討される場合は一度連絡をもらえたら」と山田さんは話している。