広大な畑を前に深呼吸すると、どこか懐かしい香りが鼻腔に流れ込む。ここは三浦市南下浦町。無人直売所が点在する地区だが、特にクオリティーの高い野菜が購入できる場所があるという情報をキャッチ。記者は早速取材を試みた。

　向かった先は「レンタルスペースａｉｂａ」（上宮田１１１９）。元「三浦海岸ホテルあいば」で、宿泊業を廃業した後は大窓から海を望む大広間を利活用し、定期的にマルシェなどを開いている。

　館内に入ってすぐに販売ブースを発見。三浦大根や紅芯大根、早春キャベツ、新玉ねぎ、小松菜、カリフラワーといった瑞々しい朝採れ野菜のほか、近くの砂浜で干した青首大根を樽漬けにしたたくあんやキムチもある。

人気の樽漬けたくあん

　須原農園が中心となり、昨年６月から開店。今では11軒の農家が出品している。「猛暑の影響でうまく生育できず、出荷量が少ない野菜でも売りに出せるのは助かる。盗まれる心配もない」と園主の須原庄一さん。施設オーナーの須藤成美さんは、移住者や観光客などリピーターもいることに触れたうえで「三浦の魅力を味わえる野菜販売を通じ、多くの人がつながれる場になれば」と展望を語った。

　開店は木曜から日曜。午前９時から午後４時。年始は１月11日（木）から。詳細はａｉｂａのＨＰやＳＮＳで確認を。