強羅公園の園長を30年務め、庭園の再整備や茶室の保存に尽力した田代道彌さん(89)が2月4日(日)まで、自身が約75年間かけて収集してきた古美術品をうつわ菜の花(小田原市南町1の3の12)で展示販売している。
テーマは「見立ての茶の楽しさ」。茶道には流派があり、それぞれが抱える職人が作った道具を使うなど形式を重んじる文化が継承されているが、田代さんはそれを「面白くない」と否定し、「不燃焼物のゴミ捨て場から拾ってもお茶はできるじゃないか」と、流派にこだわらず茶碗などを収集してきた。時代や作者を問わず、日本のほか中国やベトナムなどからも「行き当たりばったりで集めた」。それらを遊び心を持って茶の湯で使ってみせる「流用の仕方が『見立て』。こちらの方がよっぽど面白い」と目を輝かせる。
また小田原に所縁のある茶人、原三溪や益田鈍翁、松永安左ヱ門ら日本経済の発展を支えた人物のことも伝えたい、と1月27日(土)を除く全日在廊し訪問者を待っている。開館は午前11時〜午後6時。1月31日(水)は定休。