八王子市八幡町を舞台にした短編映画『此処だけの話』(28分/カラー)が完成し、3月16日(土)に旭町の八王子学園都市センターイベントホールで無料のプレミア上映会が開かれることが決まった。企画制作は八幡上町商店街くらま会(中野智行会長)。八幡町出身の塩野峻平監督(25)がメガホンを取った。
地域活性化などを目的に、これまで店舗を紹介するチラシや街の歴史をまとめた小冊子などを発行してきた同会。今回は八幡町や八王子市が持つ独特の空気感と魅力を、映画を通して市内外の人に感じてもらおうと短編映画の制作を企画。地元で生まれ育ち、手がけた作品が映画祭で入賞するなど新進気鋭の映画監督として活躍する塩野さんに制作を依頼した。
温かな日常描く
作品は、八幡町にある鰹節店の孫・なつこの何気ない生活を軸に、地域の人々との温かなつながりを描いた日常ドラマ。主演にインディーズ映画などで活躍するつかささんを起用し、笹野高史さんら実力派の俳優が脇を固める。同町周辺の新藤鰹節店や松の湯、写真館の桃屋美術などで撮影が行われ、元役者の中野会長も登場人物の一人として出演する。
監督と脚本を務めた塩野さんは「22年暮らした八幡町は居心地は良いが、ドラマチックとは縁遠い街。だからこそ、そのままの姿を映そうと思った。この作品が八王子に住む人を喜ばせるだけでなく、市外の人も楽しませて、地域を盛り上げることにつながれば」と期待する。
地元商店が協力
撮影では塩野さんを幼少期から知る桃屋美術の春日晃さん(45)らが中心となり、ロケ地との撮影交渉や出演者・スタッフの受け入れなどを行った。地元のお囃子連で親交があった春日さんを「年の離れた兄のような存在」と慕う塩野さんは、「商店街の皆さんがとても協力的で、気兼ねなく撮らせてもらえた。地元を舞台に作品を作るという、なかなかできない経験をさせてもらい、ありがたい」と、昨年の年明けから1年にわたる制作期間を振り返った。
舞台挨拶も
プレミア上映会は午後2時からと3時15分からの全2回(1時45分開場)。誰でも無料で入場できる。当日は出演者や監督による舞台挨拶も予定。予約不要、先着順。
問合せはイツミヤ【電話】042・622・8362。【URL】https://momoyaphoto.com/kokohana
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主演のつかささんのワンシーン =同会提供