最高裁判所初代長官の三淵忠彦が別荘として建てた、三淵邸・甘柑(かんかん)荘(小田原市板橋822)が4月28日(日)から定期公開される。放映中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主人公のモデルとなった三淵嘉子とのゆかりもあり、管理団体は好機を生かしたい考えだ。
甘柑荘は1936年ごろ建築の数寄屋風住宅。忠彦が、建築家・佐藤秀三に「玄関、床の間、一切の装飾ない家」を注文したとされる。
日本初の女性弁護士、女性初の裁判所長として活躍した嘉子は、56年に忠彦の長男・乾太郎と結婚。ともに裁判官で転勤が多く別居生活も続く中で、この別荘が夫婦や家族が集う場だった。
近年は親族が所有していたが、2020年に子孫と古民家利用専門家で保存会を発足。茶会など不定期公開していた。
4月28日以降は毎週日曜・金曜午前11時〜午後2時に公開。アルバムに残っていた嘉子の写真や建物の紹介動画などを見ることができる。入館には協力寄付金大人500円以上、中高生200円(小学生以下無料)。駐車場無し。
忠彦のひ孫で同保存会代表理事の上谷玲子さん(55)は「板橋地区の活性化につなげていきたい。ドラマだけでなく末永く甘柑荘を応援いただきたい」と話した。
5月3日(金)〜5日(日)は午前10時〜午後3時に特別公開。4日(土)、5日はお茶席も設ける(茶券500円・茶菓子付き)。