絵本作家としてのデビュー作『りんごかもしれない』(2013年)以降、子どもから大人まで大ブームを巻き起こしている茅ヶ崎市出身のヨシタケシンスケ。
頭のなかに広がる果てしない妄想やアイデア、クスッと笑える人のクセやしぐさ、世界の真理をつくようなものの見方を細いペン先で描き続け、多くの人々をひきつけています。
2024年7月23日から9月2日の期間、そごう美術館では、ヨシタケさん初の大規模展覧会が開催されます。本展では、作家の発想の源である小さなスケッチや絵本原画、本展のためにヨシタケさんが考案した立体物や愛蔵のコレクションなど約400点以上が展示されます。
- 絵本ができるまでに、ヨシタケさんの頭の中で起こっていることを表現したという展覧会。つくり途中の未完成な状態、いろいろなことに気が散りながら、作品を作り上げていくまでを空間にしたそう。一足早く覗いてきました!
入った瞬間からワクワクが止まらない
入口を入ると、特大のイラストがお出迎えしてくれます。ワクワクしながらふと横を見れば、ヨシタケさんからのメッセージがあちらこちらに。
絵本を出版する以前から、イラストレーターや造形作家として活躍してきたヨシタケさん。その独自の発想がどこからやってくるのか。
1990年代に作成した「カブリモノシリーズ」という立体作品は、1997年にそごう横浜店9階市民フロアでで展示されていたそう。27年かけてそごう横浜店に戻ってきた作品たちを間近に見ることができます。また、アトリエに保管されていた貴重な私物コレクションも展示され、ヨシタケさんの独自の発想やインスピレーションの源を探ることができます。
発想の源を探るスケッチ約2,500枚を大公開
突如現れるスケッチの壁!ヨシタケさんが絵本作家デビュー以前から、日々描きためてきた1万枚を超える膨大なスケッチの中から約2,500枚を複製し一挙に公開されています。小さな手帳の中に、ヨシタケさんの発想の源ともいえる、果てしない妄想やアイデア、そして世界の見方がつまっています。どの一枚をとってもヨシタケワールド全開でニヤニヤが止まりません。
完全じゃない「かもしれない」の未完成を楽しむ
展示の随所にはヨシタケさんが自ら張り付けた付箋が。展示を作るうえでスペースをうめたり、説明を付け加えたり。未完成な頭の中を表した「かもしれない」展示会ならではの、ヨシタケさんの”イイワケ”だそう。ヨシタケさん曰く「楽しみ方はあなた次第。訪れる皆さんのやさしさにゆだねられている部分もあります。どこまで楽しめるか試されていますよ。」とのこと。大丈夫!すごく楽しいです!
「みんながしあわせになれる」仕掛けが盛り沢山
今回の展示会を開催するにあたり、ヨシタケさんがこだわったのは、「展示会でありえない状況を作りたい」ということだとか。静かに作品を眺めるだけでなく、作品を鑑賞するおとなの横でこどもがあそび、さらに奥からは誰かの悲鳴(?)が聞こえる。そんないまだかつてない「かもしれない」体験展示も楽しむことができます。大人も子どもも体と心を動かすことができるアイデアがいっぱいです。
見終わるころにはちょっと心が広くなるような展覧会
展覧会の最後には、ヨシタケさんからのメッセージや、ちょこっとうれしい「かもしれない」おまけつきでした。
ヨシタケさんの果てしない妄想やアイデア、世界の見方が詰まった展示会は、ヨシタケさんが「役に立たなさ、自信のなさも、世の中の役に立つかもしれない。そんな世の中の幅の広さを子どもたちに伝えたい」というとおり、会場内はヨシタケさんの優しい悪あがきや、自信のなさ、世の中に対するイイワケにあふれた、楽しく、そしてそれを笑って許すあたたかさに溢れていました。
展覧会について語るヨシタケシンスケさん。展覧会はグッズも異例。展覧会に載っていないものを集めた図録『ヨシタケシンスケ展かもしれない 公式図録 こっちだったかもしれない』を販売。
「展覧会でボツになった作品の記録です。展覧会に載っていない作品の図録が発売されるのは初めてです。未だかつてない『かもしれない』を楽しんでください。あなたのダメなところも許すから、僕も許してという優しい空気が作りたかった。展覧会が終わったころには、みなさんの魂のステージがあがっているかもしれません」。
招待券プレゼント!
5組10名様にそごう美術館の招待券をプレゼント!下記応募フォームからご応募ください。締め切りは2024年8月4日(日)です。