三浦サーモンで商品開発
三浦市で陸上養殖されたニジマスを使って新たな地産商品を作ろうと、横須賀市長坂にある県立海洋科学高校の生徒らがオリジナルの缶詰製作に取り組んでいる。9月中には完成させ、11月に市外のイベントで販売する予定で生徒らは「今までで一番の自信作。地元の名産品や学校のことを知るきっかけにしてもらえたら」と意気込んでいる。
商品名は「サーモンクリームパスタソース」。同市初声町高円坊の農業生産法人「デリーターファーム」が「三浦サーモン」のブランド名で販売するニジマスにニンジンやタマネギなどの香味野菜を加え、特性のクリームソースを合わせた。上質な脂や旨味など素材本来の味わいが楽しめるという。
開発に取り組むのは水産食品科3年生の山口桃さん(17)、坂本ゆづき優月さん(18)、鈴木知里さん(17)の3人。生徒らが新商品を考案する「課題研究」の授業で地元の特産品である三浦サーモンに着目した。
同校ではこれまでも同社の協力で、ニジマスの水煮缶を製作。提供された材料で新たな商品を作ろうと、4月から試行錯誤を重ねてきた。山口さんは「塩味や濃度の調整が難しくて試作を繰り返した。ようやく満足ができる仕上がりになってきた」と自信を見せる。
社会課題知る機にも
温暖化に伴う海水温の上昇や海洋資源の減少が近年、社会問題となっており持続可能な海産物の安定供給の手段として陸上養殖への注目が高まっている。同校は県内では唯一の水産・海洋系の学科を設置しており、陸上養殖の研究などにも取り組む。3人は「地元でもまだ三浦サーモンを知らない人もいると思う。缶詰を手に取った人に陸上養殖や私たちの学校のことが伝わったら」と期待に胸をふくらませる。
イベントで販売
完成した商品は11月9と10の両日に県内の専門高校25校が出展する「県立神奈川工業高校(横浜市)で開かれる「横浜STEAM EXPO」(神奈川県産業教育フェア)に出品。価格は300円程度で約100個を販売する。11月以降、JAよこすか葉山の直売所「すかなごっそ」でも店頭に並ぶ予定。