どうして樹木葬が人気なのか、購入者に聞いてみた
風光明媚な葉山町の長柄に門をかまえる高野山真言宗「仙光院」。同寺院は2023年1月にペットも一緒に入れる樹木葬「湘南葉山 人とペットの樹木葬」を新たに建立しました。一般の墓ではなく、今なぜ「樹木葬」なのか。実際に購入した人に話を聞いてみました。
大変だった地方のお墓
話を聞いたのは葉山町長柄にお住いの梶尾利子さん。梶尾さんは昨年9月に夫を亡くし、11月に樹木葬に埋葬をしました。
もともと梶尾家の墓は岡山県にありましたが、2020年に墓じまいをしたとのこと。「お墓参りに行くのも大変ですし、墓を継ぐわけではない娘二人に面倒はかけたくなかった」と梶尾さんは話します。実際、墓じまいにあたっては親戚の意見なども聞かなければならず、2年ほど時間がかかったそうです。
夫が亡くなり、墓をどうしようかと考えた時、新しく墓を建てる考えはなかったところで、近所の仙光院に『樹木葬』があると聞き、相談に訪れました。
「夫が亡くなって2週間くらいだったのですが、もちろん初めてのことで、分からないことだらけだったんですけど、親身に相談にのってくださいました。心のケアもしてもらった感じです。お葬式は無宗教でやったので、お祈りも何もなかったんですけど、そうしたら家にお経をあげに来てくださって」と感謝を口にします。
決め手は何?
親切にしてもらったことも大きな要因ですが、決め手は何だったのか聞いてみると。
「何しろ高台にあって景色がいい。家から近いこともよかった。月命日にはいつもお墓詣りにきてますよ。あと、やはりお寺に預かってもらえる安心感がありました」とも。
「ペットも一緒に入れることも大きい」と話すのは娘の鈴木明加さんと正直さん夫婦。
二人はポメラニアンの癒音(いおん/オス12歳)と久遠(くおん/メス5歳)を飼っていて、実は利子さんの隣の区画を既に予約しているという。「両親の墓の隣で、ペットも一緒に入れる。ラッキーですね」と笑顔を見せた。
「湘南葉山 人とペットの樹木葬」の特徴は?
同寺院の成井秀仁次期住職に樹木葬を始めたきっかけや、その特徴を聞きました。
「墓じまいについてのご相談を受けることが増え、また檀家さんから『ペットと一緒に墓に入れないか』というようなお話もあり、樹木葬を建立することにしました」と話す。
同墓の特徴としては
- ペットも一緒に埋葬できる
- 高台にあって見晴らしがいい
- 逗葉新道料金所から車で2分の好アクセスな立地
- 駐車場完備
- 道路沿いにあり、足の悪い人などは車の中からもお参り可能
- 後継者不要
- 管理料不要
- 宗教不問
などが挙げられます。
シンボルツリーはヒメシャリンバイ。小さく丸い葉で春にはうっすらとピンクがかった小さな花がたくさん咲きます。「そよ風の心地よさ」という花言葉があるそうで、高台にあるお墓のイメージにピッタリですね。
気になる料金は
- 1区画 1人35万円 2人55万円 1区画2人まで。
- ペットは2匹まで(ペットは無料)
- 墓石のデザインは自由で料金は含まれています。
レアリアを見て申し込んだ人には分骨用のアクリル骨壺(12,600円相当)をプレゼント
人とペットのお寺 仙光院
高野山真言宗仙光院は1504~20年に長覚阿闍梨が開基したと伝えられ、現在の成井秀明(しゅうめい)住職が37代目の古刹。長覚は自らを「空海の生まれ変わり」と名乗り、空海と同じように白と黒の犬を1匹ずつ連れていたといいます。
成井秀仁(しゅうにん)次期住職は「仙光院はいま、ペット供養や犬猫の譲渡会を行っていますが、古くから犬とは関りがあったのです」と話します。
犬猫譲渡会
同寺院は5月と10月の年2回、境内と本堂を開放して、動物愛護団体とともに犬と猫の譲渡会を開催しています。マルシェも同時開催するので、ペットを飼いたいという人だけでなく、家族連れも訪れるちょっとした地域のお祭りのような雰囲気。「犬や猫と触れ合いたいという気軽な気持ちで遊びに来てください」と成井さん。ペットの飼い主同士の交流の場にもなっているそうです。
墓じまい、終活の相談受付
来年2025年には現在副住職の成井秀仁さんが住職に、弟の阿里さんが副住職になることが決まっています。僧侶が二人いることでよりきめ細やかな対応が可能となります。
「一筋縄ではいかない墓じまいのことや、何から始めたらいいか分からない終活のことなど、ご相談は無料で受け付けているので、お気軽にお問い合わせください」とのことです。